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【現役最後のインタビュー前編】上田仁「自分が思い描いた道とは全然違う道を歩いている」

卓球王国PLUS独占インタビュー(一部を卓球王国7月号に掲載)前編

出場機会を求めて、昨シーズンからドイツに移住し、ブンデスリーガに挑戦した上田仁。「ケーニヒスホーフェン」を2年連続プレーオフへ導き、今シーズンも20勝13敗、プレーオフの最終戦では「ボルシア・デュッセルドルフ」から2点を奪い、選手生活にピリオドを打った。プレーヤーとしての上田の引退を惜しむ声は多いが、今後、戸上隼輔(井村屋グループ)の専任コーチとして活動していく。
惜しまれながらも、コーチの道を歩む上田仁は何を語るのか。

Interview by

今野昇Noboru Konno

プロなのか、そうでないのか。お金をいただけるのは良い面だけど、ハングリーさは薄れる。ドイツのほうがハングリーです

PHOTO NAKAGAWA, Manabu

上田仁●うえだ・じん
1991年12月10日生まれ、京都府出身。一条クラブ、青森山田中・高、青森大を経て、協和発酵キリンに入社。高校時代に全日本選手権ジュニアを連覇、2008年度は一般3位。12年全日本学生選手権で優勝、15年から全日本社会人選手権3連覇。2018年の2月に協和発酵キリンを退社し、プロ選手として活動。世界ランキング最高位は23位(2018年5月)。2023年のシーズンからドイツにわたり、「ケーニヒスホーフェン」に所属、今シーズンで引退し、戸上隼輔の専任コーチとなった

今だから言えますけど、高校で選手を終えて、指導の道を行こうと思って大学選びを考えていた

[上田仁のラストマッチ]2025年4月27日
●ブンデスリーガ・プレーオフ準決勝2戦目<4月27日>
〈ボルシア・デュッセルドルフ 3-2 ケーニヒスホーフェン〉
◯チウ・ダン     3-0   シュテガー
 シェルベリ 1(9、-3、-10、-10)3 上田◯
◯ボル        3-2   ゼリコ
 チウ・ダン 1(7、-10、-11、-8)3 上田◯
◯シェルベリ/ボル  3-0 シュテガー/アレグロ

●ー京都の一条クラブで卓球を初めて、青森山田の中高に行き、協和キリン、そしてプロ生活という道を歩んできました。

上田 ひと言で言えば、自分が思い描いた道とは全然違う道を歩いているという感じです。青森山田に行くのも自分の中では意外な進路で、近畿地方では名前があがっても、全国ではベスト16くらいでしたから。一条クラブの小畑さんが吉田安夫先生とつながりもあり、たまたま声をかけていただいた巡り合わせですね。それがなければ、ぼくは教員になりたいという気持ちがずっとあったので、卓球ではない全く違う人生を歩んでいただろうと思います。

 青森山田に行って、練習にもついていけなくて、まずはレギュラーに入るのが目標でした。初めてジュニアの県代表になったりして目指すべきものも変わってきました。今だから言えますけど、高校で選手を終えて、指導の道を行こうと思って大学選びを考えていた。ところが、高校2年の時に、松下浩二さんに勝って、全日本でベスト4に入って、横浜の世界選手権に出ることができて、まだ選手をやろうという気持ちになり、大学も青森大学に進むことに変わった。ドイツに行くこともそうだけど、自分の思っているのと違う道をずっと選択している。不思議な感覚ですね。

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