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現役引退インタビュー「万感の想い」:梅村優香「苦しさを知っているから、恋しくはならない」

卓球王国2025年7月号掲載
写真=奈良武 photographs by Takeshi Nara

 身長147㎝という小柄な体格からは想像がつかないほどダイナミックなプレーで、2017年のインターハイシングルス優勝という輝かしい実績を持つ梅村優香。四天王寺から中央大、そしてサンリツと女子卓球界の名門を歩んできた。
24年4月に引退を決め、日本リーグ・ビッグトーナメントでは3位、全日本では塩見真希とのペアで女子ダブルス準優勝に輝き、25年3月の東京選手権を最後に現役を引退。梅村優香、25歳。駆け抜けた卓球人生を振り返ってもらった。

interview by

永尾 垣En Nagao


●─新生活はどうですか? 
梅村 とても新鮮です。ゴールデンウィークを暦どおりに休むのは、卓球を始めてから初めてのことで、とてもうれしいです。
●─仕事のほうはどうですか?
梅村 私は入庫作業をやっています。仕事では結構体を使いますが、卓球をしていた頃と比べれば、今のところは全く大変だとは思わないです。
●─プライベートで変わったことは?
梅村 前までは土曜日も練習でしたが、今は金曜日が終わったらそこから土日休みなので、休みがとても長く感じますね。
●─卓球が恋しくなることは?
梅村 今のところは全く(笑)。仕事ももちろん大変ですが、卓球とは気持ちの部分が全然違います。仕事は1日の目標があり、それを達成するために頑張るし、実際に達成できます。でも、卓球は頑張っても勝てない時がある。努力が必ずしも報われるわけじゃない。その苦しさを知っているから、恋しくはならないです。

全日本シングルスでは3回戦で敗れた梅村。辛く、長い卓球人生を思い、試合後は涙が溢れた

●─25歳での引退は少し早いように感じました。
梅村 周りからもかなり言われます。でも、中央大コーチの菊池(靖子)さんに一度相談した時、「(引退は)全然早くないよ」と言われました。引退後の生活のほうが長いので、早めに社会に出たほうがいろいろなことを学べるから、と。
●─引退はどのタイミングで決断しましたか?
梅村 去年の4月くらいです。自分の中で「今年で終わろう」というのは決めていました。そのことを天野さん(優・現姓:輕部/サンリツ監督)たちにいつ言うかというのは結構悩みましたね。両親には、心配されると思ったのでなかなか言えなかった。引退することを伝えたのは去年の12月くらいです。

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