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[ようこそ卓球地獄へ/妄想卓球スパーク!] SFオールタイム世界選手権 

卓球王国ブックス「ようこそ卓球地獄へ」<第3章 妄想卓球スパーク!>より <その28>

Text & Illustration by

伊藤条太Jota Ito

タイムマシンを使った、夢の『オールタイム世界卓球選手権大会』が横浜で開催された

 2008年、実用化されたタイムマシンを使った、夢の『オールタイム世界卓球選手権大会』が4月28日から8日間にわたって横浜で盛大に開催され、世界中から大きな注目を集めた。

 大会は故人、存命者の区別なく古今東西の名選手の最盛期に参加を募り、希望者は全員参加とした(ただし荻村伊智朗は各年の全員がエントリーしてきたため、関係者の説得により審判長になってもらった)。これに地元日本選手を加え、男女総勢341名でオールタイムの世界一を争った。ルールの設定は困難を極めたが、最終的に、選手ごとに現役時代のルールを適用し、ボール、卓球台、ネット、カウントは2009年現在のルールに統一することにした。

 大会が始まると会場は異様な雰囲気につつまれた。観客のほとんどは愛ちゃんや平野を見にきたわけだが、コートにいるのはネズミ色の短パンをはいた木村興治やベルト付き長ズボンの藤井則和で、初代世界チャンピオンのドクター・ヤコビにいたってはベストに蝶ネクタイに革靴だ。当然、試合が進むにつれて観客はどんどん減り、ごくわずかの卓球マニアと百歳ちかい高齢者ばかりになってしまった。テレビ東京の担当者が「放送できない」とガタガタと震えていたのがなんとも気の毒だった。

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