ロゴ画像
卓球王国PLUS > インタビュー > [アーカイブ石川佳純]東京五輪、悔しくもあり、誇らしくもあり
記事見出し画像

[アーカイブ石川佳純]東京五輪、悔しくもあり、誇らしくもあり

卓球王国2021年11月号掲載より

悔しさは東京体育館に置いてきた石川佳純。3大会連続のメダル獲得を成し遂げた充実感と誇りは自身の胸に残っている。
シングルスは準々決勝で敗退するも、女子団体では決勝に進み、中国に果敢に挑んだ。
チームリーダーとして戦う石川の姿に日本中の人が感動した。
3回目の五輪を終え、彼女は今何を考え、どこに向かうのだろうか。(2021年インタビュー)

「楽しい」は嘘です。しんどいです。それでもやる価値はあるけど、それができるかどうか。自分に問います

Interview by

今野昇Noboru Konno

●いしかわかすみ
1993年2月23日生まれ、山口県出身。全日本選手権では5回の優勝を誇る。世界選手権では吉村真晴との混合ダブルスで2017年に優勝。ロンドン五輪の女子団体銀メダル、シングルスは4位、リオ五輪の女子団体銅メダル、東京五輪の女子団体で銀メダルを獲得。世界ランキング9位(2021年9月7日現在)全農所属

準決勝に行きたかった。そこで負けてももう1回メダル決定の試合ができますから。そのチャンスを失った悔しさはありました

 今回、日本選手団の副主将を務めた石川佳純。メダルを期待されたシングルスでは準々決勝でシンガポールのユ・モンユに敗れた。団体戦ではチームリーダーとして日本を決勝へ導き、ダブルスでの気迫と素晴らしいプレーで「中国を本気にさせた」が、120%の力を出してもなお破れない中国の壁を感じた。

 石川佳純にとっての東京五輪は終わった。彼女にとってこの五輪は何だったのか。そして、日本スポーツ界の顔にもなっている彼女の今後のことを聞いてみた。

◇◇

●-東京五輪から少し(3週間ほど)経ちました。

石川佳純(以下・石川) 結構ゆっくりしてますよ。ロンドンやリオと比べてもゆっくり過ごしています。

●-ラケットは握っていないのかな。

石川 いや、3回ほど練習しています。

●-今回のオリンピックへの入り方は過去の大会と違うものでしたか?

石川 1年延期になったのが一番違うところで、試合が始まってしまえば同じです。

●-その前に開会式の選手宣誓がありました。

石川 練習ではスイスイ言っていたのに、本番で緊張して息継ぎができなくて呼吸困難になってました(笑)。でもうれしかったです。

●-今大会は混合ダブルスから始まって、日本は金メダルでスタートしました。

石川 私と平野(美宇)さんで一緒にテレビを見ながら応援してました。すごくうれしかったです。次の日のシングルスも気持ちよくできました。

●-シングルスの初戦はタイのパラナン。2ゲームを奪われ、苦しい試合でした。

石川 初めての相手で、あまり見たこともなかった。やりにくい選手で、戦術もうまかった。

●-リオ五輪ではメダルを期待されながら初戦で敗れた。その記憶が片隅にあるとか……。

石川 2-2になった時に、「うわ、またリオみたいだ」と思いました。リードして挽回される展開がリオと似ていた。嫌だったけど、1回経験しているから焦らずにやろうと思いました。

卓球王国PLUS有料会員になると続きをお読みいただけます

卓球王国PLUS有料会員は月額440円/税込。
登録すると「卓球王国PLUS」の記事をすべて閲覧できます。
退会はいつでも簡単にできます。