
[アーカイブ]可愛い子には旅をさせろ〜武者修行で強くなる・旅をした人たちに聞いてみました[松下浩二 編]
卓球王国2021年5月号掲載より
(2021年)1月の全日本選手権で優勝した及川瑞基を筆頭にベスト4に入った3人はドイツ・ブンデスリーガの経験者だった。彼らは環境の変化に適応し、タフなメンタルを示した。過去の男子の五輪代表やメダリストもドイツなどの海外リーグの経験者で、海外でプレーする中で自立心が芽生え、強いメンタルが作られた。
いつも同じ練習相手、同じ練習環境でやり続けることが果たして良いのだろうか。コロナが収まってきたら、外に飛び出そう。「卓球の旅」の計画を今から立てよう。武者修行で「異なるもの」を経験することがキミを強くしてくれるはずだ。
【可愛い子には旅をさせろ】 *ことわざ
我が子が可愛いなら、親の元に置いて甘やかすことをせず、世の中の辛さや苦しみを経験させたほうがよい。自分の家を出て、なじみのない土地で暮らすことは苦労や困難も多いが、子は親元を離れ辛く苦しい体験をしてこそ成長するものだということわざ

海外での経験で一番良いのは自立心が高まることだ
■松下浩二 MATSUSHITA Koji
元全日本チャンピオン・五輪4回出場
1989-1990 ▶スウェーデンリーグ『ファルケンベリ』
1997-1998 ▶BL2部『プリューダーハウゼン』
1998-2000 ▶BL1部『ボルシア・デュッセルドルフ』
2000-2001 ▶フランスリーグ1部『セスタス』
2002 ▶中国超級リーグ『陝西銀河国梁』
2005 ▶中国超級リーグ『黒龍江露友』
2007-2008 ▶フランスリーグ1部『メス』
1993年に日本人初のプロ選手転向を宣言し、その後、日本人として初めて世界最高峰のプロリーグであるドイツ・ブンデスリーガに挑戦した松下浩二。当時、すでに全日本チャンピオンでありながら、安住の地・日本を捨てて、海外で活躍した日本卓球界のパイオニアだ。岸川聖也、水谷隼などの後輩たちの先鞭をつけた。