［アーカイブ］可愛い子には旅をさせろ〜武者修行で強くなる・旅をした人たちに聞いてみました［岸川聖也 編］　　

卓球王国2021年5月号掲載より

（2021年）1月の全日本選手権で優勝した及川瑞基を筆頭にベスト4に入った3人はドイツ・ブンデスリーガの経験者だった。彼らは環境の変化に適応し、タフなメンタルを示した。過去の男子の五輪代表やメダリストもドイツなどの海外リーグの経験者で、海外でプレーする中で自立心が芽生え、強いメンタルが作られた。
いつも同じ練習相手、同じ練習環境でやり続けることが果たして良いのだろうか。コロナが収まってきたら、外に飛び出そう。「卓球の旅」の計画を今から立てよう。武者修行で「異なるもの」を経験することがキミを強くしてくれるはずだ。

【可愛い子には旅をさせろ】 ＊ことわざ
我が子が可愛いなら、親の元に置いて甘やかすことをせず、世の中の辛さや苦しみを経験させたほうがよい。自分の家を出て、なじみのない土地で暮らすことは苦労や困難も多いが、子は親元を離れ辛く苦しい体験をしてこそ成長するものだということわざ

ぼくはドイツに行っていなかったら、間違いなく五輪には出られなかった

■岸川聖也　KISHIKAWA Seiya
ファースト・元世界選手権メダリスト、五輪代表

2002-2003 ▶DL3部『ミュンスター』
2003-2006 ▶BL2部『ベルクノイシュタット』
2006-2008 ▶BL1部『ヴェルダー・ブレーメン』
2009-2010 ▶BL1部『ボルシア・デュッセルドルフ』
2010-2011 ▶BL1部『オクセンハウゼン』
2011-2012 ▶BL1部『ルーアシュタット・ヘルネ』

　2002年に坂本竜介（現T・T彩たま監督）とともにドイツのデュッセルドルフに卓球留学した岸川聖也。当時はまだ中学3年生だった。日本国内では懐疑的な意見も多かったが、高校1年からインターハイ3連覇を達成し、日本の男子卓球を「シェーク両ハンドドライブ型」に一気に変えた。
　しかも日本のシェーク攻撃選手が世界で通用することを、水谷とともに体現した日本卓球界のキーパーソンだ。