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各メーカー テンションラバー相関図・後編【アンドロ・ドニック・ヨーラ・ミズノ】

卓球グッズ2025「各メーカー テンションラバー相関図」より

各メーカーから次々にリリースされているテンション系裏ソフト。種類の多さゆえに「結局、どんなラバーなの?」という疑問も多いはず。そこで各メーカーの主力テンション系裏ソフトの性能やポジションを相関図で解説していく。

アンドロ

粘=微粘着もしくは粘着トップシート
●●°=スポンジ硬度

 アンドロにおいては長く『ラザンター』シリーズが最高峰モデルとなっていたが、2024年に『NUZN』シリーズが登場。トップ選手仕様の『NUZN』、トップ選手・上級者仕様の『ラザンター』というカテゴライズがなされた。

 『ラザンター』シリーズは全12種類あり、現在主力となっているのは第2世代にあたる『ラザンターEC』シリーズ。このシリーズではボールの食い込みが良く、反発力に優れた「エナジー・セル」と呼ばれる気泡構造のスポンジを採用。回転重視の『C』と威力重視の『R』で特徴の異なるトップシートを組み合わせ、スポンジ硬度もそれぞれ3種類を揃えている。

 『NUZN』シリーズはグリップ力の強いトップシートと、エネルギー効率が良く威力と安定感をもたらすスポンジにより、打ち負けない強さを持たせた本格派。多くのアンドロ契約選手が使用する55度と安定感の高い50度、2種類のスポンジ硬度がある。

 また、扱いやすく、スピンとスピードのバランスに優れた『バイプ』シリーズは脱・初級者にオススメ。中・上級者には抜群のグリップ力と回転のかけやすさが魅力の『ヘキサー グリップ』シリーズもあり、レベルに応じた選択がしやすいラインナップと言えよう。

ドニック

粘=微粘着もしくは粘着トップシート
●●°=スポンジ硬度

 『ブルー』を冠したネーミング、それはドニックにおけるフラグシップラバーの証し。2017年に日本へ上陸した『ブルーストーム』シリーズは、従来のドイツ製スピン系テンション裏ソフトよりも薄いトップシートを採用し、より厚いスポンジを搭載することが可能に。軽量化にも成功した。

 『ブルーストーム』シリーズにはスピン重視とスピード重視、2種類のトップシートとスポンジがあり、それぞれスポンジ硬度を変更したモデルもリリース。その後、スポンジとトップシートを、よりプロ仕様にチューンナップした『ブルーストーム PRO』も登場した。

 『ブルーストーム』シリーズに加え、粘着テンションの『ブルーグリップ』も登場。同じ粘着テンションでも『C』シリーズは粘着性ラバー寄り、『S』シリーズはテンションラバー寄りの使用感と性能になっている。

 そして、『ブルーグリップ C2』を進化させた新たな粘着テンションとして登場したのが『ブルースター』シリーズ。上級者・トップ選手を満足させるだけの、抜群の回転性能を実現させた。

 ドニックはスポンジ硬度に細かなバリエーションがあるのも特徴で、好みに応じて硬度を選びやすいのもうれしい。

ヨーラ

粘=微粘着もしくは粘着トップシート
●●°=スポンジ硬度

 現在、ヨーラの2本柱となってるのが『ダイナライズ』シリーズと『トロニクス』シリーズ。『ダイナライズ』シリーズはヨーラにおける最高峰モデルの位置付けで、6種類をラインナップ。

 『ダイナライズAGR』と『ダイナライズACC』、『ダイナライズCMD』はボールのつかみに優れた王道のスピン系テンション。『ダイナライズ インフェルノ』はさらにグリップ力とスピードを強化したトップシートで、シリーズ最高の威力を持たせている。

 また、『ダイナライズ』シリーズには微粘着トップシートを採用した『ダイナライズZGR』『ダイナライズZGX』もある。同じ微粘着でも、『ZGR』はスピン重視、『ZGX』はスピード重視の性能だ。

 『トロニクス』シリーズは最高出力こそ『ダイナライズ』シリーズには敵わないが、スピードとスピンに加え、高いグリップ力を持たせて安定感とコントロールも重視。トップシートとスポンジの組み合わせを変えた3種類を揃えている。

 そしてヨーラ初のテンションラバーとして登場した『タンゴ』が、独自の進化を遂げたのが『ゴールデン タンゴ』。中国ラバーのような強回転と高い弾みで、他の粘着テンションとはひと味違った個性的なラバーとして人気を博している。

ミズノ

粘=微粘着もしくは粘着トップシート
●●°=スポンジ硬度

 『Q3』から『Q4』、『Q5』とリリースが続き、現在は『Q1』『Qquality』『Qpower』の3枚がメインとなっているミズノの『Q』シリーズ。

 『Q1』は高めの粒と軟らかめのスポンジを合わせ、パワーがなくても、軽いインパクトでも回転量とスピードを出しやすく設計。初・中級者でも扱いやすく、『Q』シリーズの入門モデルにもオススメだ。

 『Qquality』はエネルギー効率をミズノのラバーで最大限に高め、トップシートの粒と粒の間隔を狭くすることで威力に加え、トータルバランスにも優れた一枚に仕上げた。また、トップシートを薄くして軽量化を図り、ボールの食い込みも向上。耐久性も大きくアップしている。

 そしてシリーズで最も硬い52度のスポンジを搭載し、最高の威力を持たせたのが『Qpower』。トップシートの粒形状は『Q5』と同じだが、粒と粒の間隔を少し狭くすることでスピード、スピン、グリップ力を高め、より威力の出る仕様に。ネーミング通り、トップ選手が満足できるだけのパワー満点のラバーとなっている。

 扱いやすさの『Q1』、バランスの『Qquality』、威力の『Qpower』と、少数精鋭でターゲットが明確なラインナップと言える。

「最新モデル=ベストの選択」ではない。ラバー選びは自分のレベル・実力と求める性能で選ぶべし

 ボールの素材がセルロイドからプラスチックに変わり、さらに硬いプラボールが主流となったことで、ラバーのスポンジ硬度は「硬化」が進んでいる。これはボールが硬くなるほど、打球時のボールの変形が少なくなり、硬いラバーでも食い込みやすくなるためだ。

 以前はスポンジ硬度50度以上のラバーは数えるほどしかなかったが、現在ではトップ選手や上級者を対象にしたハイエンドモデルのほとんどが50度以上のスポンジを搭載。また、スポンジの製造技術の進歩により、打球してみると数字ほどの硬さを感じにくいラバーも増えている。

 それにともない、「中間硬度」や「軟らかい」とされる硬度も2.5度ほど上昇している。以前は「硬い」とされていた47.5度あたりが現在では「中間硬度」、「中間硬度」とされていた45度あたりが「軟らかい」とされている。しかし、「数字ほどの硬さを感じにくい」とは言っても、やはり硬度が高ければそれだけ扱いは難しくなるので、選ぶ際には注意が必要だ。

 また、進化を遂げた新作ハイエンドモデルが続々と登場しているが、その多くは「さらなる威力」を追求し、世界で戦うトップ選手向けに開発されたもの。誌面でハイエンドモデルの試打を行った際には、全国大会出場レベルの選手であっても「少し高性能すぎる」と感じる部分があるようで、一般の中級者クラスには少々オーバースペックかもしれない。

 一方で卓球王国WEB用具売上ランキングでは『テナジー05』『ファスタークG-1』『ラクザ7』といった、発売から10数年が経過したラバーが現在でも頻繁にトップ10にランクイン。いずれも「程良く高性能」で、長くヒットしているだけに安心感があり、一般の中・上級者から支持を得ている。ラバーの価格が高騰する中にあって、比較的リーズナブルな価格なのも大きいだろう。

 やはり、ラバーは自分のレベルや実力に合わせ、求めている性能を踏まえて選択することが大切。「最新モデルだから」「トップ選手も使っているから」という理由だけでなく、さまざまな情報を吟味して自分に合ったラバーを選んでいただきたい。

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