
上田仁の集大成 ブンデスリーガ挑戦の最終章
卓球王国2025年8月号掲載
「卓球で生き方を表現したい」。そう心に決め、家族とドイツへ渡った上田仁。再起をかけた移住から1年9カ月の2025年4月、彼のブンデスリーガでの挑戦は幕を下ろした。ケーニヒスホーフェンの2季連続プレーオフ進出に貢献し、今年3月に現役引退を発表。同時に日本代表・戸上隼輔の専任コーチ就任も明らかになった。欧州最高峰のプロリーグで積んだ経験と実績をセカンドキャリアにつなげた上田。山あり谷ありだった選手人生の集大成にふさわしいラストシーンを記録する。

Text and photo by by
photographs by Phillipp Wohlfart


●Profile 上田仁(うえだ・じん)
1991年12月10日、京都生まれ。青森山田中・高→青森大→協和発酵キリン。09年世界選手権日本代表、18年男子W杯団体銀メダル。全日本学生選手権優勝、全日本社会人選手権優勝(4回)。18年3月よりプロ選手として活動し、23年夏からドイツを拠点にプレー。2シーズン連続でブンデスリーガ男子1部のケーニヒスホーフェンをプレーオフ進出へと導く。25年3月、現役引退を発表。日本代表・戸上隼輔の専任コーチに就任
中堅のケーニヒスホーフェンが2季連続プレーオフに進出! デュッセルドルフとのリベンジマッチへ
ドイツ・バイエルン州の小さな田舎町に再び奇跡が起きた。
昨シーズン、リーグ3位でチーム初のプレーオフ進出に沸いたブンデスリーガ男子1部のTSV BADケーニヒスホーフェン(以下、ケーニヒスホーフェン)が、2024−2025シーズンは4位でプレーオフ出場を決めたのだ。
25年4月11日のプレーオフ・セミファイナル第1戦はホームコートのシェークハンズアリーナに首位のデュッセルドルフを迎えた。両者の顔合わせは昨シーズンと同じ。前回はデュッセルドルフが2勝1敗でファイナルに駒を進めた。
プレーオフに進めるのは全12チーム中、上位4チームのみ。首位と4位、2位と3位がセミファイナルで対戦し、最大3戦で勝ち越したチームがファイナルで優勝を争う。