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【グッズ+】深く熱すぎる 用具マニアたちの世界

別冊卓球グッズ2025 より

スポーツの中でも特にマニアックな人材が集まる卓球には、大勢の用具マニアが棲息していると言われるが、その実態が報告されることは意外に少ない。かねてよりそうした人たちに並々ならぬ関心を寄せていた卓球コラムニスト、伊藤条太氏による渾身のルポ。

Text & Photo by

伊藤 条太(卓球コラムニスト・卓球史研究家)ITO Jota

「僕なんかが用具マニアだと言われるようじゃダメなんです」

 昨年の『卓球グッズ2024』で「狂気の用具コレクター」として紹介された髙橋洋平さん(卓球専門店WRM高田馬場店店長)は、少々苛立ちを見せながら語った。YouTubeで用具マニアの方々を集めて座談会をした時のことである。

 ちょっと意味がわからなかったので真意を聞くと、用具マニアには上には上がいて、自分はまだまだなのに用具マニアとして評価されてしまう卓球界のレベルの低さに、自戒の念を込めて憤っているということのようである。元々尊敬されているわけでもないのに自戒されるというのも微妙だが、心理学で言うところのダニング=クルーガー効果であろう。

 ある分野において熟達した人ほど自己評価が厳しくなる傾向である。卓球で言えば、全日本選手権を5度も制した平野早矢香が「卓球の神様と両想いになりたいけど、お前まだまだだよと言われてます」と語り、世界チャンピオンになった河野満が「卓球が少しわかってきた気がする」と語ったのがその例だ。熟達するほど足りないところが見えてくるので、自己評価が果てしなく厳しくなってしまうのだ(逆に未熟な者ほどそれを認識できないので自分を過大評価する)。

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