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【考察】ペン裏面ラバー <もしくはラバーなし> 後編

卓球グッズ2025掲載

日本のトップ選手には見られなくなったペンホルダー。しかし、まだ中学生のチームにはペンホルダーの選手がいる。
また、マスターズなどのシニア世代では、当たり前のごとく圧倒的にペンホルダーが多い。
ペンホルダーの選手はこだわりが強い。グリップ、重さ、形状……すべてにおいてだ。
全日本マスターズに行くと、そんなシニア世代ではほとんどの選手が裏面にラバーを貼っていることに気づく。
彼らは裏面に何を貼り、どんな目的で貼っているのかを取材してみた。

「裏面ラバーに合わせた球持ちの良いラケットを選ぶ」川口陽陽

●24年全日本マスターズ40歳以上3位 ●東京・YOYO TAKKYU

表面=モリストSP AX・MAX(ニッタク)
裏面=ディグニクス80・1.9㎜(バタフライ)
R=リベルタ ソリッド プロ(ダーカー) 

コーチになってから裏面に裏ソフトを貼るようになりました。もう12年間貼っています。ボールもプラスチックになり、ボール自体が重く硬く感じたので、裏面を貼ったほうがボールに押し負けないと思ったのがきっかけです。

 今は表面と裏面でのプレーは半々になっていますが、表面にしかラバーを貼ってないラケットと、両面に貼ったラケットでは打球感が全く違うので、最初は扱いやすさと振り抜きやすさを重視しました。少しずつラバーを硬くし、ラケットもちょっとずつ重くしていきました。

 表面の表ソフトに合わせて弾きの良いラケットにすると、裏面の裏ソフトのコントロールが難しくなったり、逆に裏面の裏ソフトに合わせて球持ちの良いラケットを選ぶと、表ソフトのほうが飛んでいかない。でも、ぼくは表ソフトのほうはなんとか調整がきくので、今は球持ちの良いラケットを使っています。

 表面の表ソフトは弾く打ち方で、裏面は裏ソフトでドライブをかけるので打法が違うことの難しさはあります。裏面でドライブしていたら、表面のほうでドライブを打ちたくなったり、表面でスマッシュをしていると、裏面でもスマッシュを打ちたくなったりすることもあって、そこでの調整が難しいですね。

 加えて、裏面でドライブをかけると相手の返球も伸びてくるので、表ソフトだけでやっていた時と違う球種のボールが返ってきて大変です。

川口陽陽 グリップ部分には滑り止めのゴムを張っている

「重くなるとラケットが振れないから裏面にはラバーは貼っていません」謝春英

●元中国代表 ●24年全日本マスターズ60歳以上優勝 ●東京・スマイル

表面=インパーシャルXB・1.9㎜(バタフライ)
裏面=なし
R=032(紅双喜)

ラケットは1979年に国家チームに入った時から使っているので40年以上使っています。紅双喜の『032』で5枚合板。新しいラケットにはなかなか変えられない。 

 腕の力がないし、重くなるとラケットが振れないから裏面にはラバーは貼っていません。裏面の指のところにスポンジを貼り、その上に透明のガムテープを貼っています。スポンジだけだと指が滑らないから良くない。少し滑るほうがいいんだけど、このガムテープがちょうど良い感じで滑るから貼っています。

 当時、中国のペンホルダーの人は5枚合板の裏面の上にもう一枚木を貼ったり、木と木の間に紙を一枚入れたりしていました。当時の中国の国家チームにはラケットを修理したり改造する先生がいたんです。ペンの人はラケットを長く使う人が多いですしね。 

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