張本智和の握手と「リスペクト発言」。卓球におけるフェアプレーとは何か

【アーカイブ/Another Story】齋藤斉/華麗なるプレースタイルの変遷。努力と「遊び心」で築いた唯一無二のキャリア
卓球王国2022年3月号掲載[アナザー・ストーリー/齋藤斉]
[Another Story 疾走するアスリートたち]齋藤斉(しずおか焼津信用金庫)
さいとう・ひとし
1954年7月31日生まれ、青森県出身。青森商業高3年時にインターハイベスト16、法政大3年時に全日本学生3位。大学卒業後はしずおか信用金庫(現:しずおか焼津信用金庫)で長くプレーし、東京選手権ではサーティ・フォーティ・フィフティの各年代で優勝。2021年の全日本マスターズではハイシックスティで優勝し、マスターズ初優勝を飾った。右シェーク両面裏ソフトドライブ型

Text by
柳澤太朗Taro Yanagisawa
Photo:浅野敬純
「まさか今回とは思わなかった」
67歳で初めてつかんだマスターズ優勝
2021年10月9日、福島・宝来屋郡山総合体育館。
群雄割拠の全日本マスターズ、男子ハイシックスティで新たなチャンピオンが誕生した。勝利の瞬間、静かに拳を握りしめ、笑顔の花を咲かせたのは齋藤斉(しずおか焼津信用金庫)。ベンチに入った妻・恵子とグータッチを交わし、優勝の味を噛み締めた。
「やっぱりねえ、『やったあ』という感じでさ。高揚しちゃうよね。1回は優勝したかった。ベンチに帰ったら、家内が興奮してウルウルしていたよ」(齋藤)
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