
60年目を迎えるドイツの「ブンデスリーガ」とは何か?
卓球王国PLUS独占記事
世界中のプロリーグが規範としたドイツのピラミッド型リーグ構造

リーグ創設から60年目を迎えるドイツのブンデスリーガ(Tischtennis-Bundesliga)が「世界最高峰のリーグ」と言われる所以(ゆえん)は、歴史だけではなく、ピラミッド型を形成する「組織」にある。
昨日、オクセンハウゼンのクリスチャン・ペジノビッチCEOのインタビューを行ったが、その前に、「ブンデスリーガとは何か」を探ってみたい。
ドイツの戦後のゴールデン計画と、ブンデスリーガの創設
戦後のドイツ卓球(他のスポーツも)では、国内のクラブ運営や競技組織の再建が課題となった。その中で登場したのが、いわゆる「ゴールデン計画(Goldene Plan)」。これは1945年以降のドイツ卓球界・スポーツ界における戦略的な組織整備と発展計画を指している。
<1. 背景>
第二次世界大戦後、ドイツ国内のスポーツ組織はほぼ壊滅状態。クラブも施設も失われ、競技人口は激減。
特に卓球は、戦前のドイツが世界トップクラスだったものの、戦争によって国内リーグや選手育成システムが崩壊した。
このため、戦後のドイツ卓球連盟(DTTB)は、再建と普及、競技水準の維持を目指す必要があった。
<2. ゴールデン計画の目的>
●クラブ組織の整備
地域単位のクラブを基盤とし、全国的な競技ネットワークを構築。クラブの役割を明確化し、選手育成・競技運営・財務管理の枠組みを整備。これにより、卓球を地方レベルから全国レベルまで体系的に育成できる環境を作る。
●競技人口の回復と育成
学校や地域社会との連携を強化。ジュニア育成や大会参加を促進。戦前のエリート主導型ではなく、幅広い競技人口を基盤とした発展を目指した。
●リーグ・大会の再編
戦前の地域リーグを全国統一形式に近づけ、定期的な大会運営を可能に。初期には男子ブンデスリーガの前身となる地域リーグが整備され、やがて全国統一リーグに発展。