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中国式ペンの選び方<入門から上級まで> 前編

「卓球グッズ2019」より

世界で活躍するペンホルダー選手は希少だ。見本となる選手が少ないからこそ、ペンは選び方を間違っては迷宮へ迷い込んでしまう。中国式ペンの特徴や性能のイロハを学び、自分に合ったものを選べる力をつけよう。
<商品写真=江藤義典>

五輪メダリストの許昕(中国)

なぜ現在、中国式がスタンダードなのか。

世界のトップで活躍しているペンホルダーは多くない。現在、男子の世界ランキング50位以内(2019年4月)にはたった2人、許昕(中国)と黃鎮廷(香港)のみだ。なぜ、ペンホルダーがいないのかと言えば、シェークに比べると不利な部分が多いからだろう。圧倒的に負けているというわけではないが、卓球のスピードが上がってきている中で、ペンはシェークに対抗できなくなりつつある。

 ひと昔前は日本におけるペンと言えば、日本式ペンがスタンダードだったが、現在は中国式が主流になってきている。その理由のひとつに、トップ選手に日本式の選手がいなくなったことがある。また、ルール変更や卓球の進化により、バックの攻撃力が低い日本式では対応が難しくなっているからだ。

ビッグタイトルは2004年五輪。日本式ペンは柳承敏の引退で衰退

04年アテネ五輪の男子シングルスで柳承敏(韓国)が優勝してから、日本式ペンでの五輪・世界選手権の優勝は遠ざかっている。そもそも日本式の使い手が柳承敏くらいしかいなかったこともあるが、柳承敏の引退と同時に往年の卓球スタイルは消えた。

 一方で中国式ペンは08年北京五輪で馬琳が優勝、ワールドカップでは、馬琳(00・03・04・06年)・王皓(07・08・10年)・許昕(13年)の中国が誇る最強ペンホルダートリオが優勝を飾っている。王皓は競争が熾烈な中国で五輪にも04・08・12年と、3大会連続出場を果たすという偉業もなしとげている。シングルスの優勝は叶わなかったが、五輪で2枚の金メダル、3枚の銀メダルを手にした。

●ペンの常識を変えた王皓。歴代最強とも言えるペン選手だ
●孤軍奮闘した柳承敏。人間離れした超絶フットワークがあってこその優勝だった

日本式は攻撃力が高いなど、良い部分はたくさんあります。しかし、全体的な総合力では中国式のほうが上

偉関晴光氏(88年五輪複金メダル)
日本式は攻撃力が高いなど、良い部分はたくさんあります。しかし、全体的な総合力では中国式のほうが上でしょう。今は卓球のルールやスタイルが変わり、サービスからの3球目攻撃までではラリーが終わりません。攻めと守備が半々になるため、攻撃力の高さよりも攻守のバランスのほうが優先されるでしょう。裏面打法が使いやすい中国式のほうが、攻撃のバリエーション、守備の安定感などが上です。また、台上技術の安定性も中国式のほうが上だと思います。