
奥深き中国式ペンの世界 トップ選手のグリップ
「卓球グッズ2024」より<後編>
中国から生まれた中国式ペンは、今やペンホルダーのスタンダードになってきている。
シェークハンドのように丸みを帯びたブレードで、短く、平らなグリップ。どれも同じように見えてしまうが、似て非なる中国式ペンの世界に迫ってみる。
写真=江藤義典

中国式ペンの握り方と削り方をトップ選手から学ぼう
中国式ペンを使うチウ・ダンとF.ルブラン、そして2024年全日本女子ダブルス2位の実績を持つ宋恵佳と、日本リーグで活躍した岩田明峰に、中国式ペンのグリップの握り方と削り方について話を聞いた。
「強く握りながらも手首の柔軟性を損なわない」
チウ・ダン(ドイツ)
握り方については、人差し指をグリップにかけて、親指はラバーにかかるくらい深く入れています。裏面の指は伸ばし過ぎず、かといって丸め過ぎないように中間的な握り方を意識しています。これは私が幼い頃、父の邱建新が王皓(中国)に「両ハンドが振りやすい握り方」を聞いて、それにならった丸め方です。
同じ中国式ペンのF.ルブランはかなりフレキシブルな握り方をしていて、手首を最大限に使えるのでサービスや台上のバリエーションが多く、彼にとって良い握り方だと感じています。一方で私は、最初からやや強めに握るようにしていて、サービスやレシーブから次のプレーまでグリップを握り変えずに行うようにしています。握りを変えないことですばやく対応できるからです。また、強く握ると言っても、手首の柔軟性を損なわないようにしています。
グリップ部分は指を痛めないように必ず削っています。人差し指の部分はやや深めに削り、親指部分は角を少し取るくらいに削っています。削るのはこの2カ所だけですね。