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[WTT、熱狂の横浜は何を語るのか]WTTの「破壊」と「創造」  

卓球王国2025年11月号「WTT、熱狂の横浜は何を語るのか。」

WTTチャンピオンズで横浜が沸いた。張本智和が世界王者の王楚欽を破って優勝した。「卓球のイベントが変わった」と観客が感じた。WTT横浜を通じて、卓球の今と未来を語ってみよう。
写真=中川学・楊奇真

Text by

今野昇Noboru Konno

過去にジャパンオープン、アジアカップ、グランドファイナルが開かれた横浜文化体育館がBUNTAIに生まれ変わり、WTTの舞台となった。当時を知る卓球ファンがこのイベントを見たら度肝を抜かれるだろう。
それは破壊者への批判か、創造者への賛辞なのか。

WTT横浜の最終日、満員となったBUNTAI。張本智和の優勝が「熱狂の横浜」のエンディングだった

イベントとして黒字化に成功。20~30代が中心となり、ファンの層が大きく変化している

 真夏の横浜BUNTAIに多くの観客が吸い込まれていく。会場に入ればクールでパープルな空間。そして黄色い声援が飛び交う。8月11日に最終日を迎えたWTTチャンピオンズ横浜は異空間の舞台だった。

 2021年にスタートしたWTT(ワールド・テーブルテニス)は、まさに「破壊と創造」を掲げる卓球イベントとして進化を続けている。

 WTTはITTF(国際卓球連盟)の傘下にありながら、営利団体として卓球をエンターテインメント化し、世界ランキングを紐づけ、ユース大会も統括する新機構である。現在ではITTFは世界選手権やワールドカップなど一部の大会を主催するにとどまり、多くの主要イベントはWTTが担うようになった。新型コロナのパンデミック以降、世界の卓球界の仕組みは大きく変わったのである。

 今回、名古屋・福岡のファイナルズに続き、首都圏で初となる「WTTチャンピオンズ横浜」が開催された。取材を通じ、このイベントの迫力を改めて実感するとともに、かつてのITTFワールドツアーのジャパンオープンとの違いを思い起こした。ジャパンオープンは日本卓球協会主管の「地元感」のある大会で、観客も高齢層が中心。満員になることは少なかった。

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