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熱狂を生む空間演出。WTTが変えた卓球観戦の新たなムーブメント

卓球王国2025年11月号「WTT、熱狂の横浜は何を語るのか。」

WTTチャンピオンズで横浜が沸いた。張本智和が世界王者の王楚欽を破って優勝した。「卓球のイベントが変わった」と観客が感じた。WTT横浜を通じて、卓球の今と未来を語ってみよう。
写真=中川学・楊奇真

Text by

中川学Manabu Nakagawa

WTTは卓球をスポーツとして“見る”ものから、エンタメ性を取り入れて“観る”ものへと変貌させている。観客を魅了するその演出は、卓球の未来を切り拓いていく鍵になるだろう。

卓球にドラマを優れた演出が生み出す高揚感

 WTTの魅力は、単にトップ選手たちの真剣勝負をセンターコートで見せることだけにとどまらない。それに加えて、心を躍らせるような演出が組み合わさることで、これまでの大会では味わえなかった「ハイレベルな観戦体験」を観客に提供している。

 音楽、照明、デジタルビジョンによる映像演出。そのすべてが、観客の感情を高揚させるように緻密に計算されており、自然と応援の熱が高まっていく。

 静まり返ることのないロックアーティストのライブ会場のように、WTTのインフィニティ・アリーナにも一体感と高揚感が満ちている。ファンを巻き込みながら熱狂を生み出す空間づくりは、WTTの真骨頂と言えるだろう。

 その結果、WTTはわずか数年で、他の競技団体からも注目を集める存在へと成長した。設立当初は他競技の演出を研究し、ヒントを得ていたWTTだが、今ではバレーボールなど複数の競技団体から、「どうすれば、あれほど効果的な演出ができるのか」と問われる立場になっている。WTTが設立からわずか5年でこのレベルに到達したことは、驚異的な成果と言っていいだろう。

WTTの演出に欠かすことができない音楽。横浜大会でもDJブースから会場を盛り上げるメロウな曲が流れた

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