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[ようこそ卓球地獄へ/たまには真面目な卓球論]カリスマ指導者たち 

卓球王国ブックス「ようこそ卓球地獄へ」<第5章>より <その45>

 

Text& Illustration by

伊藤条太Jota Ito

「どうして前半に出たいと言わない?なにか不安でもあるのか?」と王皓や馬琳を問いつめた 

 卓球王国2008年12月号の、中国男子監督の劉国梁の話は凄かった。この男、いつの間にこんな凄い指導者になったのだろうか。北京五輪の男子団体のときのことだ。それまで先を争って前半に出たがっていた選手たちが、韓国との準決勝を前にしてわずかに態度を変化させたという。「どこに出てもいい」と言い出したというのだ。別に何の問題もなさそうだが、劉国梁にはこれが許せない。「どうして前半に出たいと言わない?なにか不安でもあるのか?」と王皓や馬琳を問いつめたというのだ。ほとんど言いがかりである。劉国梁はこの“問題”について、納得するまでコーチ陣や選手とミーティングを重ねたのだという。選手の内側に巣食ったほんのわずかな不安が増殖・伝搬し、取り返しのつかない結果につながる卓球競技の恐ろしさをこの男は知り抜いているのだ。我々が倒さなくてはならない相手はこんな男が率いるチームなのだ。しかも選手は王皓に馬琳、そして王励勤だ。いったい他のチームにどうしろというのだろうか。

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