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【メンタルってなんやねん!】「思い込みイップス」はほとんど治る 

卓球のメンタルって「なんやねん」

卓球王国2025年11月号掲載

Text by

岡澤祥訓Yoshinori Okazawa

●メンタルトレーナー 岡澤祥訓(おかざわ・よしのり)
奈良教育大名誉教授。卓球の日本代表、プロ野球、柔道などの競技でメンタルトレーナーを務めている

世界的な選手ではイランのNo.アラミヤン選手が「イップス」と言われ、もともとフォアハンド主戦の選手だったが、今はバックハンドが主戦となっている

「完璧にやらないといけない」と強く考える人ほど、イップスのような症状に陥る傾向がある

 スポーツの世界では、イップス(※)を経験した人は相当数いるはずです。

※編集部注・イップスとは、スポーツや音楽などの熟練した技術が必要な場面で、突然自分の思いどおりの動作ができなくなる「局所性ジストニア」と呼ばれる神経学的な障害、またはそれを引き起こす心理的・身体的な状態を指す。精神的プレッシャーや過去の失敗体験などが原因となり、無意識の筋肉の硬直や不随意な動きを引き起こすことが特徴。

 私はイップスの専門家ではありませんが、最近「先生、私はイップスのようです。どうしたら良いですか」という相談を多く受けます。

 神経系の問題で筋肉が収縮するタイプや、薬物療法で対応するケースもあると聞きますが、そのようなタイプの選手は私のところには来ません。私がこれまで接してきた選手のほとんどが、心理的な問題で動作がうまくできなくなっているタイプでした。

 たとえば、関西の名門高校にこんな選手がいました。高校1年で活躍し、2年になってチームの中心として頑張ろうとした矢先、フォアハンドを打つとラケットがひっくり返るようになり、ボールが上に飛んでしまうのです。最初は「感覚がずれた」とか「たまたま大きなミスをした」程度でしたが、周囲が「おまえ、イップスだ」と言ったことで本人もそう思い込み、ますますうまく打てなくなってしまいました。

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