タマス研究開発部に聞く! 「第四の革新」ザイア03誕生のストーリーとは?【後編】
●卓球王国2025年12月号掲載
写真=江藤義典
photographs by Yoshinori Eto
インタビュー=小川勇気・柳澤太朗
interview by Yuki Ogawa & Taro Yanagisawa
『ザイア03』は従来のシートによる
「引きつれ」で回転がかかる
仕組みとはかなり異なっている。
そういう意味でも革新的です(臼井)
●─『ザイア03』は「耐久性」についても、特徴のひとつとして言及されています。『ディグニクス』も耐久性の高さはユーザーに広く知られていましたが、公にされることはなかったですね。
臼井信悟(以下・臼井/タマス研究開発部) 弊社ではラバーの耐久性をふたつの面から評価しています。ひとつは強い衝撃を与えた時に、シート表面が切れないかどうかという「対衝撃」の耐久性。もうひとつは打球していく中でラバーがすり減っていく、「対摩耗」の耐久性です。そのふたつの評価結果とも非常に良かったので、製品の特徴としてアピールすることになりました。
強い衝撃に対して切れにくいという点では、『ディグニクス05』のおよそ1・4倍という評価結果が出ています。摩耗に対しては『ディグニクス05』で使われた摩耗耐久性を上げる技術を『ザイア03』でも応用し、同じレベルの摩耗耐久性を実現しています。ラバーの寿命としては長い部類だと思います。
寺村大輝(以下・寺村/タマス研究開発部) 強い衝撃への耐久性という点では、低い粒が密集している構造によるものも大きいですね。粒が多いので加えられたエネルギーが分散し、粒の変形も小さくなるので、そのぶん負荷がかかりにくく、シートが切れることは少ないというイメージです。

