「ネットショップによる危機感? そりゃ、ありましたよ」国際卓球・臼田豊社長
卓球王国PLUS独占インタビュー <後編>
日本最王手の卓球ショップ「国際卓球」。臼田豊が入社して43年、社長に就任してから36年が経った。臼田はコロナ禍の時には3カ月以上店を閉め、社員を一人も切らずに乗り切った。
今では海外からのインバウンドの客が後を絶たない。卓球用品ならなんでも揃う「KOKUSAI SHOP」は世界中の卓球愛好者を惹きつけている。
大手ECサイトとの競争にもさらされる中、なぜ愛好者は路面店「国際卓球」に足を運ぶのか。

うすだ・ゆたか
1952年9月3日、東京生まれ。アパレル業界で8年働き、その後、結婚を機に1982年に国際卓球株式会社に入社。国際卓球は1959年に設立され、本店は東京の高田馬場。臼田が入社と同時に渋谷に出店。その後、上大岡、町田、所沢に出店すると同時に通販のαラインもスタートさせ、日本最大の卓球ショップとなっている。
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▲品揃えも豊富で近年はインバウンドのお客さんも多い国際卓球渋谷店
価格のサービスはある一定以上のことはできないけど、それでも「この店いいね」と感じてもらえることを目指しています
●ー最近はネットショップだけでなく、アマゾンのような大手のECサイトが競争に加わっています。
臼田 お客さんにとってはもちろん安いほうがいいですよね。だからうちも大きな差がないように努めます。ただ、経費的なことを考えれば価格だけで勝負をするのは難しいです。国際卓球では、繰り返しになりますが、欠品をなくしてその場で買えること。そして、正確な用具の説明と親切丁寧な接客を心がけています。
接客については直接ぼくが教育することはなくても、事あるごとに言います。感じの良い接客じゃなきゃいけない。ぼく自身が外食をする時でも「感じが良い、悪い」を感じます。味が良くても感じの悪い店には行かないでしょ? そういう話を昔から社員にはします。価格のサービスはある一定以上のことはできないけど、それでも「この店いいね」と感じてもらえることを目指しています。
●ー昔からそうであっても、ネットショップや大手通販サイトが勢力を拡大するようになって、より強く意識するようになったんですか?
臼田 ぼく自身の思いは昔から変わっていないけど、もしかしたら意識が強くなったのかもしれません。もう一つのサービスとして限られたスペースの中ですが、卓球台を併設して、そこで店舗によっては購入前のラケットやラバーを試打できるようになっています。たとえば『ザイア』(バタフライ)をインナーとアウターとに貼って、試打をしてもらったりとか。(試打については店舗によってできないこともあるので事前にお問い合わせください)
●ー2000年以降、ネットショップが次々出てきた2010年前後には「路面店、このままで大丈夫かな」という危機感はあったんですよね?

