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仲村錦治郎のマジックサービス 後編[サービスが切れる=パワーがある、ではない]

卓球王国2025年12月号掲載

「サービスの名手」としてヨーロッパ、中国でも有名だった仲村錦治郎(元五輪代表/現VICTAS)。メインは2種類のモーションから出す下回転とナックルの「縦回転サービス」だった。その極意を解説してもらった。

解説=仲村錦治郎(元五輪代表)

Text by

仲村錦治郎Kinjiro Nakamura

縦回転(下回転・ナックル)をマスターする

サービスが切れる=パワーがある、ではない。指と手首でラケットヘッドのスピードを上げる

 縦回転サービスでは、下回転とナックルの「回転量の差」が重要です。差が少なければ相手は対応しやすくなるため、まずは下回転をしっかり切ることが大切です。

 そのために必要なのは「スイングスピード」であり、筋力ではありません。指と手首でラケットヘッドをすばやく動かす感覚が鍵です。力を抜いてラケットの重みでヘッドを走らせましょう。

 上から吊るしたボールを切る、床に向かって切るなどの練習が効果的です。この感覚を身につけることで、レシーブのツッツキでも切れるようになります。

 習得するには❶台を使わず回転をかける楽しみを覚える→❷台で安定させる→❸試合で使い効果を実感する、の3段階が理想です。最初から台の中に入れることばかり意識すると、「切れた」感覚を得られずに終わってしまいます。まずは思い切り切ってボールが戻る感覚を味わうことです。

 丹羽孝希、王楚欽・馬龍(中国)らもスイングは小さいのに非常に切れています。スイングの大きさと回転量は関係はなく、ヘッドスピードこそが回転の源(みなもと)です。

▼[2本の指でラケットヘッドを回す感覚]
力を抜いたほうがしなるようなスイングができます。シェークハンドであれば親指と人差し指の2本の指だけでラケットの先端(ヘッド)を回す感覚が大切です。

回転量を保ちながら、ボールが当たった瞬間に「力を逃がす」

 床に向かって「切る感覚」を身につけた後に、台に向かって練習する際は、回転量を保ちながらボールが当たった瞬間に「力を逃がす」感覚を覚えましょう。

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