仲村錦治郎のマジックサービス 後編[サービスが切れる=パワーがある、ではない]
全日本3連覇の「ファースト」。30過ぎの青森山田軍団、丹羽復帰、そして浜野の男気
卓球王国PLUS独占記事 <プレイバック・「ファースト」全日本団体優勝>
青森を熱くした男たち。
ファーストは「全日本V3」を劇的な勝利で終えた。その熱いストーリーを振り返ってみる。

Text by
今野昇Noboru konno


「丹羽くんを応援してくれる人は多いし、彼は卓球界の財産。復活させることが私の仕事だと思っていました」(浜野)
全日本選手権大会・団体の部が10月、青森県青森市で行われた。決勝は「全日本」にふさわしい大激戦となった。
最終日は準決勝からのスタートだったが、3連覇を狙うファースト(千葉)は、ひとつの決断をしていた。
違法スポーツカジノ問題により日本卓球協会から半年間の資格停止処分を受けていた丹羽孝希(ファースト)は、10月18日で処分期間が終了。全日本団体の最終日が、ちょうど処分明け1日目にあたったのだ。処分が下った当初から、ファーストの浜野浩監督は協会に確認を取り、「最終日まで勝ち進んだ場合は丹羽を起用する」方針を固めていた。
資格停止期間中も、浜野は丹羽を支え続けた。積極的に子どもたちへの指導などボランティアの機会を用意し、復帰への基盤を整えていたのである。

