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卓球とともに「むつ」に生きる人 船場永敏と藤田修〈青森県の船場道場を訪ねて〉

卓球王国2026年2月号掲載

船場道場にて。右が船場永敏、左が藤田修

Text by

今野昇Noboru Konno

44年続く「むつ卓翔会」と、39年間、子どもたちを育てた船場道場

 青森県むつ市の「船場道場」を訪ねた。船場永敏と藤田修に会うためである。

 青森市から車で約2時間。マサカリのような形をした下北半島の中央部に位置するむつ市は、少し北に行けば恐山や、まぐろで名高い大間町がある。その地で39年間続く卓球場が「船場道場」である。

 藤田修は1968年に明治大を卒業後、むつ市役所に勤務し、当時としては珍しいクラブチーム「藤田卓球クラブ」を創設した。そこで指導した高山徳子は1970年のインターハイを制し、1973年には田名部中が全国中学校大会団体で優勝。シングルスも山口亨が頂点に立ち、山口はアジア選手権少年の部でも優勝を飾った。

 しかし藤田は7年の指導を終えると、いったん卓球から離れた。地域には指導者の空白が生まれ、そこで子どもたちを見ていたのが、卓球選手ではなかった船場永敏であった。

 船場は当時をこう振り返る。

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