【アーカイブ/Another Story】岡紀彦/苦難の先に待つ、「最高の喜び」を求めて。 小さな巨人、憧憬への旅路
卓球王国2015年7月号掲載[アナザー・ストーリー/岡紀彦]
[Another Story 疾走するアスリートたち]岡紀彦
おか・としひこ
1964年岡山県生まれ。
1988年ジャパンオープン肢体不自由者選手権初優勝、
その後2012年まで同大会25連覇を達成。通算優勝回数26回。
2000年シドニー、2004年アテネ、2008年北京と、 3度のパラリンピック出場。
2002年、日本では史上初の障害者プロ卓球選手となる。
現在は5つのスポンサーと契約、来年のリオパラリンピックを目指す。
ニックネームは「小さな巨人」
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「“勝負”できるスポーツを」。
中学時代の恩師が導いた車椅子の少年と卓球との出合い
「最近、卓球が面白くない」。そんな岡の言葉からインタビューは始まった。決して「卓球に対して熱がなくなった」という意味ではない。卓球を生業とし、言い逃れのできない環境で戦う、プロ選手ゆえの葛藤が込められている。
「格下には負けないけど、格上には勝てない。勝つにしても、負けるにしても、『予想外』がない。国際大会だと特にその傾向が強い。来年のリオパラリンピックの出場枠に入るには、1ゲームの中で、あと2、3本、新しい得点パターンがほしい。それができれば、あとは試合の中でやりくりして『予想外』を起こせるし、もっと勝てるはず。そうなれば『面白く』なってくると思う」
近年、スポーツ界において、永らく第一線で活躍を続けるベテラン選手に対し、リスペクトの念を込めて「レジェンド」という呼称がよく使われる。岡紀彦、この人もそう呼ばれるにふさわしいキャリアの持ち主だ。日本初の障害者プロ卓球選手であり、国内最大規模の障害者卓球大会ジャパンオープン肢体不自由者選手権では25連覇を達成。欠場により連覇は途絶えたが、翌年には再び王座に返り咲き、通算26回の優勝を数える。

