邱建新の「プロの眼力」なぜこの男のところへ選手は集まるのか Vol.2
卓球王国2023年3月号より <アーカイブ邱建新>

全中国チャンピオンになった後、日本に来日。その後、ドイツへ渡り、ブンデスリーガでの活躍を経て、プロコーチになった邱建新。かつて水谷隼、石川佳純という五輪メダリストを指導した。現在、大阪で開設した「邱卓球塾」にはトップ選手やジュニア選手が集まってくる。なぜこの男は選手たちを惹きつけるのか。その指導論とは何か。<取材2023年>
写真=中川学 Photographs by Manabu Nakagawa
協力=邱卓球塾 special thanks to Qiu takkyu jyuku

邱建新Qiu Jianxin
●チウ・ジェンシン
1965年12月26日生まれ、中国・江蘇省出身。元中国代表。21歳で中国チャンピオンになり、その後、ドイツのブンデスリーガで活躍し、コーチとしても多くの選手を育てた。日本人からは日本語読みで「きゅう・けんしん」と呼ばれる
Interview by
Q 選手へのアドバイス方法
邱建新は4カ国語を操りながら選手にアドバイスを送る。長い時間話をしない。30秒や1分で、簡単にわかりやすく説明する。
中国卓球、日本卓球、ヨーロッパ卓球の長所をミックスする
●ー邱さんの指導方法は、ドイツ的なものか、中国的なものか?
邱 私の卓球の基礎は中国で養ったものだ。それにドイツの経験が組み合わされた。ドイツでは州の公認コーチも2、3年やっていた。二人の息子のチウ・リャン、チウ・ダンの練習も見ていた。青森山田では1年で数週間、吉田安夫先生のもとでコーチをして勉強した。
吉田先生からは選手の管理の仕方を学んだ。ただ吉田先生の練習時間はちょっと長過ぎだし、毎日同じ練習メニューだから選手が楽しくない。私はヨーロッパと吉田先生の練習をミックスして、練習メニューを楽しくしている。だからここに来る人は「もう3時間終わり?」と時間があっという間に過ぎるのに驚く。
だから、コーチをする上で一番重要なのはその日の選手を見て「今日調子どう?」と聞く。「ここがちょっと痛い」と選手が言う。「OK、じゃ、今日は違う練習をしよう」と変える。昨日、フットワークをたくさんして、体が疲れていたら、休みではなく、違う練習をする。いつも同じ練習にはならない。それが重要だ。
私のやり方は、ヨーロッパ、中国、日本の吉田先生の管理方法を合わせたものだ。ヨーロッパの練習は超短い。でも吉田先生は長かったから、それをミックスして、中国卓球、日本卓球、ヨーロッパ卓球の長所もミックスする。だから私は、中国語、日本語、英語、ドイツ語、卓球で重要な言葉を全部話せる。

