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WTTと重なったらトップ選手は全日本を欠場するのか!? 将来、全日本選手権の根本的な日程見直しが必要になるかもしれない

卓球王国PLUS独占記事「今野の眼」

2026年1月の全日本選手権の表彰式。トップ選手がWTT参戦となると上位の顔ぶれは変わる可能性がある
Text by
今野昇Noboru Konno

10月13日の日本卓球協会の臨時理事会で「2027年世界選手権大会(個人戦)の男女日本代表選考基準」が改訂されたが、日本の卓球界にとって大きな問題が見え隠れする。

選考基準改訂で見えてきたものとは・・・・

●2027年全日本選手権の日程がWTTチャンピオンズと重複したこと

●日本のトップ選手が全日本選手権を欠場し、WTTへ参戦する可能性が高いこと

●2027年全日本選手権の優勝者がトップ選手4名(あるいは5名)不在の中で誕生する可能性が高くなり、その優勝者を世界選手権代表の資格とできなくなったこと

●2028年ロサンゼルス五輪の日本代表は、2028年1月に発表されること

●世界ランキングは直近1年間のWTTなどのポイントで決まるため、五輪日本代表を目指す人にとって2027年1月~12月の大会成績が極めて重要であること

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2027年全日本選手権の日程がWTTチャンピオンズと重複。日本のトップ選手が全日本選手権を欠場し、WTTへ参戦する可能性が高いこと

これは日本卓球協会とITTF(国際卓球連盟)・WTTのミスでも衝突でもない。
日本卓球協会は全日本選手権の会場(東京体育館)を約2年前から確保していると言われているのに対し、WTTが2027年の年間カレンダーを発表したのは2026年9月4日だった。この9月の時点で全日本選手権の日程を変更するのは不可能である。

一方で、ITTF・WTT側も1加盟協会に過ぎない日本卓球協会の国内選手権を考慮してカレンダーを作成することはしなかった。その代わりに3月15日~21日を「ITTF卓球ファミリー国内選手権週間」とし、ヨーロッパの協会が集中して国内選手権を行えるよう配慮したつもりなのだろう。しかし、日本ならではの会場予約の事情やテレビ放送の都合まで考慮されることはなかった。事前に日本卓球協会がITTF・WTTと協議、日程変更の要請を行ったかどうかは不明である。 ただ、前年(2025年)も全日本選手権のダブルスがWTTのシンガポールスマッシュと重複していたことを考えると、「全日本選手権とWTTの大会が重なる」ことは予見できたはずだ。

WTTチャンピオンズには1協会から世界ランキング順に最大4名が出場でき、ワイルドカード(推薦枠)を含めれば5名が参戦することもある。つまり全日本選手権には男女のトップ選手8名(最大で10名)が欠場する可能性が出てきた。

ではなぜ、日本のトップ選手は伝統と威厳のある「全日本選手権」を欠場してまでWTTチャンピオンズに出場しようとするのか。それは「2028年ロサンゼルス五輪」の出場資格を獲得するためである。

日本卓球協会の強化本部はすでに「2028年ロサンゼルス五輪日本代表の選考基準」を発表している。2028年1月時点の世界ランキング上位2名がシングルス代表となり、3番目の代表は強化本部推薦とされる予定だ(ダブルスのペアリング等の考慮はあるものの、過去の例を見れば世界ランキング3番手の選手が選ばれる傾向が強い)。

オリンピック代表を狙う選手にとって2027年1月~12月の大会成績が重要

世界ランキングは直近1年間における世界選手権、アジアカップ、ワールドカップ、WTTなどの上位8大会の獲得ポイントで決定するため、2027年1月~12月の大会成績が重要になる。特に世界ランキング上位者が一堂に会するWTTチャンピオンズは、五輪出場権を争うライバル同士の直接対決の場でもある。五輪代表を狙うトップ4(あるいは5名)の選手たちにとって、WTTを選ぶのは必然と言える。

だからこそ日本卓球協会も当初、世界選手権出場資格にしていた全日本優勝者を世界ランキング上位者より優先することができなくなったのだ。

しかし、日本卓球協会にとって頭が痛い問題は、「世界選手権代表に全日本王者を優先しないこと」以上に「全日本選手権にトップ選手が出場しないこと」だろう。これまで国内最高峰である全日本選手権を差し置いて、他の国際大会を優先してトップ選手が欠場した例はない。

たとえ男女上位4名ずつが欠場したとしても、全日本選手権自体のレベルが高いことに変わりはない。しかし、ITTF・WTTと日本卓球協会との関係性、テレビ放映権、スポンサーシップ、チケット販売といった多方面にわたる課題は、今後の懸念事項として残ることになるだろう。

また28年1月にしてもWTTチャンピオンズやスターコンテンダーのような獲得ポイントの大きな大会と重なれば、五輪でのシード権を考えて、五輪代表選手は全日本選手権を欠場することも考えられる。
今回の大会の重複を機に日本卓球協会は、毎年1月に行われる全日本選手権の開催日程を根本的に見直さなければいけないのかもしれない。