[アーカイブ・女王の独白/後編]丁寧「最終的には選手本人が今の自分に何が足りなくて、何をすべきかというのをわかっていないと世界のトップには行けない」
卓球王国2015年10月号掲載
DING NING, The Queen’s Monologue
ひとたびコートに立つと男子選手並みの身体能力で縦横無尽に動き回り、連続強打を相手に浴びせる丁寧。
一方、コートから離れた時の愛くるしい笑顔が人々を魅了する。丁寧の時から、卓球会場には「親衛隊」なるファングループが大挙して押し寄せるようになった。
丁寧は人気と実力を兼ね備え、蘇州で2度目の栄冠をつかんだ。
2016年リオ五輪では金メダルを獲得したが、五輪への意気込みをこのインタビューで感じることができる。
写真=江藤義典
Interview by
今野昇Noboru Konno
丁寧●ディン・ニン
1990年6月20日生まれ。中国・黒龍江省大慶市の出身で、北京市女子チームの周樹森監督にその才能を見出され、北京市チームの一員となる。05年世界ジュニア選手権で優勝、09年アジア選手権で優勝。10年世界団体選手権決勝のシンガポール戦では、トップで馮天薇に敗れてチームも9連覇を逃し、大きな挫折を味わったが、翌11年に行われた世界選手権で初優勝。12年ロンドン五輪では決勝に進出するも、先輩の李暁霞に敗れて銀メダル。2015年世界選手権蘇州大会シングルス優勝。2015年8月当時、世界ランキング1位
長距離を走っているんじゃないかと思うくらい、短距離は遅い。みんなが何で卓球では動けるのに、と呆れてます
インタビューでの丁寧は終始笑顔で饒舌(じょうぜつ)だった。この天真爛漫な明るさが彼女の魅力であり、試合の時の鬼のような形相と明確なコントラストを作っている。この少女のような笑顔と、アスリート的でカッコいいプレー、ボーイッシュな容姿が中国の女性の心をとらえ、「丁寧親衛隊」とも言うべき「叮当」(ディン・タン)というファンクラブの人たちが全国から蘇州に駆けつけていた。