[特集・石川佳純]2014年、世界卓球を語る。「こういう舞台で活躍できたことはすごくうれしくて、すごく自信にもなって、これからの自分にも生きてくる」
卓球王国2014年8月号掲載 石川佳純●全農
このインタビューは2014年5月に行った。東京での31年ぶりの世界選手権(世界卓球・団体)。その大舞台で日本の女子は大激戦を乗り越えて決勝に進んだ。
なぜ日本女子の戦いは熱いドラマになるのか。31年ぶりの世界選手権決勝進出は、オランダ戦、香港戦の劇的な勝利で達成した。
ドラマの中心にいたのは石川佳純。日本のエースとして準決勝まで7勝1敗。確実に力をつけ、中国との差を縮めている。あの熱い戦いを石川自身が振り返る
石川佳純●いしかわ・かすみ
1993年2月23日生まれ、山口県出身。四天王寺高卒、全農所属。13歳の時に全日本選手権でベスト4入り、平成22年度全日本選手権で初優勝、平成25年度の同大会で2度目の優勝を果たした。09年世界選手権ではシングルスベスト8、12年ロンドン五輪では団体銀メダルを獲得し、シングルスでも日本人初の準決勝進出を果たした。世界ランキング10位(14年1月当時)
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試合をするごとにチームの勢いが増していって、試合をするごとに強くなっていった
大手総合メディア事業会社が2014年5月に行った、アスリートイメージ評価調査で、石川佳純が「好感がもてるアスリート」部門の第1位に輝いた。JA全農世界卓球東京大会でのドラマティックな戦い、「石川佳純劇場」とも言える舞台での熱いプレーが卓球の世界を飛び越え、一般の人にアピールしたのだろう。
その熱い日々から3週間ほど経った日に、眺めの良いホテルのラウンジに現れた石川。まるで遠い日々を懐かしむように語り始めたが、記憶が蘇り、熱い口調に変わっていった。
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●―7月号(世界選手権特集号)では表紙を飾ってもらいました。あの写真は香港戦に勝った瞬間のもの。あの時には勝った後、ガッツポーズをするまで一瞬、間が空きましたね。
石川 カット打ちがへたくそでした。あの試合で負けて、自分が思った以上にかなり落ち込みました。その後のジャパンオープンもダメで、そこから調子が戻らなかったですね。
スコアもわかっていたけど、「あっ、勝った、あっ」。そしてベンチを見て、「あっ勝ったんだ」と。完全に試合に入り込んでましたね。