Top of Asia 張本美和・前編 『今大会は我慢、我慢というのが、本当に最初から最後までよくできたかなと思います』
卓球王国2025年1月号掲載
Interview by
10月に行われたアジア選手権の女子団体決勝で、
中国から2勝を挙げ、団体優勝の立役者となった張本美和。
快挙に酔う誰もが忘れてしまう。彼女がまだ16歳であることを。
歩む道はまさに王道。歴史的快挙も通過点でしかないのだろうか。
写真提供=カザフスタン卓球協会
チャイナスマッシュが
満足のいく結果ではなかったので、
アジア選手権で良い結果を残せるように
頑張ろうと練習しました
アジア選手権の女子団体決勝で、中国を3−1で破った日本。同種目での優勝は2大会ぶりだが、中国を破っての優勝は実に50年ぶり。「卓球ニッポン」の栄光が薫っていた、1974年の第2回大会以来だ。
球史に残る快挙の立役者は張本美和。準決勝のインド戦、決勝の中国戦でシングルス2勝を挙げ、決勝4番では世界女王の孫穎莎に逆転勝ちして、チームの優勝を決めた。女子シングルスと女子ダブルスでも準優勝と、眩い存在感を放った16歳。帰国後、過密なスケジュールの貴重な空き時間に、リモートインタビューで大会を振り返ってもらった。
●―帰国してから少し経ちましたが、女子団体で歴史的な優勝を飾ったアジア選手権を振り返っていかがですか?
張本美和(以下・美和) 団体で優勝できたことはすごくうれしいです。早田(ひな)選手のケガもありますが、全試合エースとして起用していただいたので、プレッシャーもある中で戦い抜くことができたのは良かったと思います。シングルスはすごく悔しい気持ちが大きくて、決勝もチャンスがない試合ではなかったので、試合中にもっと変えられる部分があったんじゃないかと思っています。
●―直前のチャイナスマッシュではシングルス1回戦で何卓佳(中国)に敗れましたが、そこから大会までどのように調整したのでしょう?
美和 チャイナスマッシュはTリーグが終わってから深夜に現地入りして、それから12時間後くらいの試合だったので、厳しい部分もありました。でもチャイナスマッシュが満足のいく結果ではなかったぶん、アジア選手権では良い結果を残せるように頑張ろうと練習して、ご飯もすごく美味しかったですし、よく眠れてしっかり休むことができました。