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[ワルドナー伝説]vol.20 第3章 3 時間をコントロールした男
『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック。(第3章の掲載が第2章から1カ月ほど間があいてしまったことお詫び申し上げます)
Text by
イエンス・フェリッカJens Fellke
第3章 アウトサイド・ザ・コート
Outside the court
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3 時間をコントロールした男
■ 20年にわたって、世界の卓球シーンをリードし時間をコントロールした
ヤン-オベ・ワルドナーの芸術的な卓球を語る時に、「時間」というものが彼の卓球に追いつかないことにとても不思議な感覚を持ってしまう。
近代卓球史に名を残した人たちは「時間」というものには逆らえない運命だった。しかし、ワルドナーは違う。
世界選手権を考えてみれば、87年のニューデリー大会で準優勝した時から、97年のマンチェスター大会で優勝したこの10年間の彼の世界ランキングは、アベレージ1.9であり、ヨーロッパランキングでは1.5だった。これはその年の最後のランキングを計算したものだ。世界ランキングでは96年に4位で、90年に3位だったが、それ以外では常に1位か2位だった。ヨーロッパランキングでは、10年間、2位よりも下に落ちることはなく、6回は1位をキープしていた。トップ10に初めて入ったのは83年で、2002年の時点でも彼はトップ10の中に入っている。