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【記者席からの目線】「部活」危機。問われる卓球ファミリーの底力
記者席からの目線
卓球王国2025年1月号掲載
Text by
稲垣康介(朝日新聞編集委員)Kosuke Inagaki
「部活」危機。問われる卓球ファミリーの底力
「部活」。その語感から浮かぶ言葉は、青春。中学校でサッカー部に所属していた私は、近隣の学校との対抗試合の後、級友とマクドナルドに寄り、ハンバーガーにかぶりついていた。当時の記憶は鮮明だ。
そんな昭和世代の郷愁とは違い、令和の「部活」は危機にある。
「卓球王国」の前号(12月号)でも特集されていたように、国の方針で、全国の公立中学校における休日の部活指導を、地域のクラブに託す動きが進んでいる。少子化、さらには教員の「働き方改革」の流れの中で、50代の私が中学生だったころのような形で部活動を維持することが難しくなっている。
先生の中で、子どもたちにスポーツを指導することが生きがいの人もいれば、週末の大会参加のために生徒を引率するよりも、自分の子どもとの時間を大切にしたい人だっているだろう。そもそも、2022年度の調査では公立中学校の教員の77%は1カ月の時間外勤務の上限(45時間)を超える実態がある。先生たちが慢性的に疲弊している様子がデータから浮かぶ。