モーレゴード「パリは超クールで、卓球をすることがとても楽しいと思えた大会だった」

卓球王国2024年12月号掲載［トゥルルス・モーレゴードのインタビュー前編］

これはヨーロッパでしか育たない才能なのか。小さい頃から常に新しい技に挑戦し続けた少年はパリ五輪の大舞台で勇躍した。
次々に繰り出す多彩なテクニックは創造的であり、トリッキー。それを組み立てる戦術と、大舞台で使えるメンタルの強さ。五輪銀メダリストのモーレゴードは何を語るのか。

MOREGARDH,Truls [SWEDEN]
トゥルルス・モーレゴード ［スウェーデン ］　パリ五輪銀メダリスト

［トゥルルス・モーレゴード］
2002年2月16日生まれ、スウェーデン・ホフマントープ出身。世界ジュニア選手権では2017・19年の2回準優勝。2021年世界選手権ヒューストン大会で準優勝。2024年パリ五輪で男子シングルスと男子団体で銀メダルを獲得。世界ランキング9位（2024年12月4日現在）　

2021年世界選手権でのモーレゴード旋風。パリの競技5日目に王楚欽を倒し、最大のジャイアントキリングを見せた

　欧州卓球の盟主、かつては世界を席巻した北欧・スウェーデン。人口約1050万人の小さな国は世界チャンピオン、五輪金メダリストを輩出してきた。その伝統あるスウェーデンでも、1988年以降の10回のオリンピックで、メダルを獲得したのは1988年のリンド、1992・2000年のワルドナー、そして今回の男子団体と男子シングルスのモーレゴードだけだ。

　パリから帰国すると「モーレゴード・フィーバー」が待っていた。パリ五輪全競技でのスウェーデンのメダルは合計11個。そのうち卓球はモーレゴードと男子団体の2個の銀メダルを獲得し、スウェーデン卓球史上初の一大会で2個のメダル獲得となった。

　卓球界では有名だったモーレゴードは、今やスウェーデンの誰もが知る存在になった。