全日学王者:徳田幹太「結果が出せず苦しんだけど、ようやく殻を破れた。優勝は奇跡とは思わなかった」
徳田幹太[早稲田大]
「全日学」こと全日本大学総合選手権・個人の部、最終日。徳田幹太はベスト8決定戦から決勝戦までの4連戦を、すべて4―3のフルゲームで勝ち切り、初優勝した。それは紙一重の勝負に奇跡が舞い降りたわけではない。絶不調の時を経ながらも前を向き、自身にプレッシャーを与えながら続けた努力の賜物に他ならない。
(卓球王国2025年2月号掲載)
Text by
高部大幹Hiromoto Takabe
卓球人生を考えると、今年が勝負。今年、シングルスで結果を残さなければいけないと思った
●─徳田選手は団体戦で強いという印象がありますが、シングルス優勝は全日本バンビの部以来ですね。
徳田幹太(以下・徳田) 自分でも団体戦は得意だと思っていますが、個人戦は自分のために戦うということで、プレッシャーを感じることが多かったんです。
全中はベスト4、インターハイはベスト8と、そこそこの成績は出していたけど、あくまで目標は優勝でした。関東学生リーグ戦ではいい試合もできて、団体戦では殻を破れても、「個人戦で殻を破れない」という思いがずっとありました。
卓球人生を考えると、今年が勝負の年と思っていました。今後卓球を続けるためには、今年シングルスで結果を残さなければいけないと思っていました。
●─今大会にかける意気込みは強かったと思いますが、自信はありましたか?
徳田 気持ち的には自信がありました。1カ月前の秋季関東学生リーグ戦では8~9割勝てて、「こんな良い状態で結果が残せなかったらヤバいぞ」くらい(笑)。
ただ、春季リーグ戦(5月)では不調でラケットも握りたくないほどでしたし、関東学生選手権(6月)でもベスト64と、ふがいない結果に終わった。
1 2