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真説 卓球おもしろ物語28【中国を青ざめさせた韓国男子と日本女子】

〈その28〉卓球王国2022年10月号掲載

Text by

伊藤条太Jota Ito

卓球史研究家・卓球コラムニストの伊藤条太氏が、独自の視点で卓球史を紹介するこのコーナー。今回は2001年世界選手権大阪大会から2004年世界選手権ドーハ大会まで。男子団体での「21世紀最高の試合」や、日本女子の活躍で沸いた大阪大会。そして2003年パリ大会でのシュラガーの優勝により、用具の潮流は一気にテンション系ラバーへと移っていった。

参考文献:『卓球王国』2000年5月号世界選手権クアラルンプール大会特集、『卓球王国』2001年7月号世界選手権大阪大会特集、『卓球王国』2003年8月号世界選手権パリ大会特集、『卓球王国』2004年6月号世界選手権ドーハ大会特集

2001年世界選手権大阪大会、中国を救った“奇跡の男”劉国正

 2001年世界選手権大阪大会で、早くも“21世紀で最高”と言われる試合が出現した。21世紀最初の大会なので、その時点で“21世紀で最高”なのは当然だが、それから21年経った今なお、これを凌(しの)ぐ試合は現れていない。
 それは男子団体準決勝、中国vs.韓国である。中国は前年のクアラルンプール大会でベテラン勢を擁するスウェーデンに敗れ、雪辱(せつじょっく)を誓(ちか)っていた。この韓国戦では、オランダ戦で負けた劉国梁(リュウ・コクリョウ)、ドイツ戦で負けた王励勤(オウ・レイキン)を外し、孔令輝(コウ・レイキ)、劉国正(リュウ・コクセイ)、馬琳(マ・リン)の布陣。一方の韓国は、1998年アジア競技大会優勝の金擇洙(キム・テクス)、韓国初の本格的シェークドライブ型の呉尚垠(オ・サンウン)、そして3年後のアテネ五輪で金メダルを獲る18歳の柳承敏(ユ・スンミン)だった。
 さすがに中国に分(ぶ)があると思われたが、シドニー五輪金メダルの孔令輝が金擇洙と呉尚垠に2点を落とす大波乱。勝負の行方はラストの劉国正vs.金擇洙に託された。

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