【アーカイブ】水谷隼&石川佳純の対談「王者、恐るべし。」 vol.1
卓球王国2015年6月号掲載
写真=江藤義典&奈良武 photographs by Yoshinori Eto & Takeshi Nara
ヘア&メイク=Reina hair & make by Reina
2015年1月の全日本選手権大会を連覇で飾り、7度目の優勝を果たした水谷隼と3度目の優勝を果たした石川佳純。ともに世界ランキング5位と堂々のトップランカー。王者としての自信とプライド、チャンピオンがゆえに抱える悩みをお互いに語り合った。
interview by
今野 昇Noboru Konno
深い部分をあまり語ったこともないし、深い話になると他の選手と距離を感じてしまう(水谷)
チャンピオンたちは彼らにしかわからない共通言語を持っている。
全日本チャンピオンの水谷隼と石川佳純は、チャンピオンしか発することのできない質問と答えを繰り返した。世界ランキング5位という地位から見える景色は同じものなのだろうか。
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●ー全日本選手権大会後のインタビューで、水谷選手は「石川選手はすごい。自分の記録も彼女が抜いていく」と言い、石川選手は「9大会連続の決勝進出は本当にすごい」とお互いを尊敬し合っている。まずふたりのストロングポイントをお互いに語ってもらいましょう。
水谷 13、14歳で全日本(選手権)に出てきた頃から佳純ちゃんは注目して見ていました。小さい頃から他の人とかけ離れた技とか才能がありましたね。相手が打ってきたボールへの反応や空間。トップ選手に共通しているのは相手に打たれても焦らないとか、ちょっとした余裕があるんです。その時間と空間を佳純ちゃんは持っていた。すぐにボールに手が出るんじゃなくて、足がまず動いていく。小さい頃からそういう部分を感じたことがあるのは(松平)健太とオフチャロフ、そして佳純ちゃんでした。