[アーカイブ]松島輝空、世界への挑戦状 ー A challenge to the world
卓球王国2024年6月号掲載
世界卓球への鮮烈なデビューを果たした釜山大会から、シンガポールスマッシュ、Tリーグプレーオフファイナル、そしてWTTチャンピオンズと、ビッグゲームの連戦を戦い抜いた松島輝空。疾駆する16歳の「現在地」と、見据える未来とは?
インタビュー=柳澤太朗 interview by Taro Yanagisawa
写真=中川学 photographs by Manabu Nakagawa
世界卓球を経験できたのが大きかったですね。あの舞台を経験できたから、プレーオフファイナルでも緊張せずにプレーできたように思います。
2月の世界卓球釜山大会(団体戦)では、デビュー戦ながら堂々たるプレーを披露。準々決勝の中国戦トップでは世界王者の樊振東(ファン・ジェンドン)と互角の熱戦を展開し、「ソラ・マツシマ」の名を世界にアピールした松島輝空。
その後もハードなビッグゲームの連戦となった松島。年が明けてからのこの3カ月間は、16歳の松島にとって競技人生で最も濃密な時間だったに違いない。
休みなく続いた戦いの日々で、得られた収穫とは何だったのか。
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●─今日はまず、Tリーグのプレーオフファイナルの話から聞かせてください。ファイナルに初出場し、岡山リベッツ戦の3番で閻安(イェン・アン/中国)に3−1で勝利しました。
松島輝空(以下・松島) プレーオフファイナルはこれまでもベンチ入りはしていたんですけど、出場機会がなくて「出たい」という気持ちは強かったです。
今回は他のメンバーも強い中で自分が出させてもらって、責任感もありましたし、自分の中では実力もついてきて、自信を持ってプレーできたので、それが結果に繋(つな)がったかなと思います。
●─木下マイスター東京は1番のダブルスを落とし、1−1の3番という重要な試合でした。緊張はしなかったですか?
松島 あまり緊張しなかったです。結構自信を持っていました。ただ、相手(閻安)も強いですし、前日に行われた準決勝で張本(智和)選手に3−0で勝っていたので、1ゲーム目の1球目から向かっていく気持ちでやりました。
●─2ゲーム目は7−10からの逆転で取りましたね。
松島 最近は逆転勝ちが多くて、釜山大会の(中国戦の)樊振東戦でも7−10、6−10というところから追いついていたので、挽回(ばんかい)できるんじゃないかと思いながらプレーしていました。
やっぱり、この2ゲーム目を取れたのが大きかったです。サービスも効いていたし、相手に攻められた場面でも守れるようになり、打ち返せるようになったというのが、勝因としては大きいです。