ロゴ画像
卓球王国PLUS > インタビュー > 【アーカイブ石川佳純】リオに選ばれし者「ロンドンはとにかく楽しかったです。きっとリオもそうなると思います」
記事見出し画像

【アーカイブ石川佳純】リオに選ばれし者「ロンドンはとにかく楽しかったです。きっとリオもそうなると思います」

卓球王国2016年9月号掲載
写真=江藤義典&奈良武 photographs by Yoshinori Eto & Takeshi Nara

「4年間はあっという間だけど、すごく長い」。石川佳純は印象的な言葉を口にした。19歳から23歳という、アスリートとして最も充実した時期。男子ナショナルチームで練習し、日々黙々と課題の克服に取り組み、左腕から放たれるボールは力強さを増した。
後ろは振り向かない。前だけを見て進んできた瞳の先に、リオ五輪のセンターコートがはっきりと映っている。

石川佳純●いしかわ・かすみ
1993年2月3日生まれ、山口県出身。小学1年で卓球を始め、四天王寺中2年時の全日本選手権で史上最年少のベスト4進出、平成22年度全日本選手権で初優勝。世界選手権では09年大会でシングルスベスト8、14・16年大会で団体準優勝。12年ロンドン五輪では女子シングルスでベスト4進出を果たし、女子団体で日本に初の銀メダルをもたらした。2014年ITTFワールドツアー・グランドファイナル優勝、世界ランキング6位(2016年7月現在)

interview by

柳澤太朗Taro Yanagisawa

ロンドンでは、メダルを獲った後のことは、はっきり覚えていないですね。私は試合が一番楽しかった。まだまだやりたいと思った。

 2012年ロンドン五輪の閉幕後、東京・銀座で行われたメダリストたちのパレード。赤いブレザーに身を包み、2階建てバスの上から大観衆に晴れやかな笑顔を振りまいた石川佳純。

 その栄誉を「一生の宝物」と言いながら、石川が五輪後に訪れた喧噪の日々を思い返すことはほとんどない。彼女が求めるものは華やかなカーテンコールではない。今も心をとらえるのは、オリンピックという舞台そのものが持つ果てしない魅力。そこで戦ったひと試合、そこで打ち込んだ一球。

 「決勝が終わって、まだオリンピックが終わらないでほしいなと思いました」。生まれながらのアスリートは、ロンドン五輪後にそう語っている。

 それから4年。石川は再びオリンピックの舞台に立つ。

 2016年6月14日、ジャパンオープンの開幕前日、記者会見後に行ったインタビュー。開口一番、「インタビューは久しぶりですね」とひと言。リオ五輪に集中するため、取材はほとんど受けていないという。

 「気分も変えて明るくいきたかった」と、短く切って少し明るくなった髪の色。弾む口調に、充実感がにじみ出ていた。

◇◇

●―リオ五輪がいよいよ目前に迫ってきました。今の調子は?

石川 調子はすごく良いです。プレーの調子も良いし、体調も良いです。

卓球王国PLUS有料会員になると続きをお読みいただけます

卓球王国PLUS有料会員は月額440円/税込。
登録すると「卓球王国PLUS」の記事をすべて閲覧できます。
退会はいつでも簡単にできます。