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【アーカイブ・カルデラノ】「メダルを獲ることでブラジルの子どもたちを刺激して、もっと卓球の人気が出てくることがもうひとつのゴールだ」

卓球王国2019年3月号掲載[ウーゴ・カルデラノインタビュー]

ITTFワールドツアー・グランドファイナルの準々決勝で波乱が起きた。優勝候補筆頭の世界ランキング1位の樊振東を
同6位のカルデラノが破ったのだ。この4年間で外国選手に3回しか負けていない樊振東をカルデラノは大舞台で完璧に打ち負かした。1年前にインタビューした時には世界30位だった22歳の若者はこの1年間で急激に成長している。
ヨーロッパでも有望な若手が枯渇する中、ブラジルが生んだスター選手が世界の頂点に近づいている。
樊振東に勝ち、張本智和に敗れた翌日、カルデラノは何を語ったのか。

ウーゴ・カルデラノ CALDERANO, Hugo
1996年6月22日、ブラジルのリオデジャネイロ生まれ。18歳でドイツのマスターカレッジで練習を始め、ブンデスリーガの『オクセンハウゼン』でプレー。2016年ラテンアメリカチャンピオン、16年リオ五輪ではベスト16、18年カタールオープンで張本智和、林高遠を連破して準優勝。18年ワールドツアー・グランドファイナルでは樊振東を破り、3位。世界ランキング6位(2019年1月当時)

PHOTO:江藤義典、レミー・グロス

interview by

今野昇Noboru Konno

「勝敗の結果よりも重要なのは、誰がその試合を支配するかだ。
それはウーゴなんだ。
相手のミスで試合を決めるのではなく、試合を決めるのは常にウーゴなんだ」

 アジアでのライジングスター(新星)が張本智和なら、南米の希望の星がウーゴ・カルデラノだ。南米出身の選手としては史上最強であり、現在、ドイツに拠点を置き、ブンデスリーガでプレーする彼に対しては、ヨーロッパの関係者も大きな期待を寄せている。
 この10年間ほどで世界の卓球界は、少しばかりまずい状況になっている。ヨーロッパ選手たちが世界で活躍していたのは20年以上前の1980、1990年代。その後、中国が完全に世界の卓球界を支配し、それに続いたのは日本や韓国。卓球が「アジアのスポーツ」に変容、偏重していくのは220以上の加盟協会を抱える国際卓球連盟(ITTF)としても、グローバルスポーツと言われる卓球にとっても決して良いことではない。
 そんな状況で、アジアに対抗できるヨーロッパ選手はドイツのボルとオフチャロフだけだった。しかも、ボルは37歳、オフチャロフは30歳とベテランで、才能ある若手は枯渇状態。そんな中で、アジアに対抗できるトップスターがブラジルから現れた。22歳のウーゴ・カルデラノだ。

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