
[アーカイブ]「石川佳純」という生き方。「努力ができない人間なんだと小さい頃は思っていました」
卓球王国2020年10月号より 石川佳純インタビュー<後編>
誰しもネガティブになっていた2020年の新型コロナ感染拡大の渦中。
卓球の大会はなくなり、練習も思うようにできなかった。
2019年12月に東京五輪のシングルス代表を勝ち取り、翌25年1月に日本代表は正式に発表されたのだが、3月には東京五輪の延期が発表された。と同時に、五輪開催の是非論が世間では飛び交っていた。
そんな辛い時期に石川佳純はインタビューに答えてくれた。それは選手たちを勇気づけ、彼女自信を鼓舞するものだった。まさにそれは「石川佳純の生き方」そのものだったかもしれない。

Interview by
●いしかわかすみ
1993年2月23日生まれ、山口県出身。四天王寺高校卒。全日本選手権で4度の優勝、世界選手権では団体で5個のメダル、混合ダブルスで3個のメダル、2017年世界選手権混合ダブルス優勝。12年ロンドン五輪団体銀メダル、16年リオ五輪団体銅メダル獲得。2020年8月時、世界ランキング9位、全農所属
オリンピックはあってほしいけど、それは私が決めることではない。でも、あるという前提で全力で準備をするし、そこに向けてモチベーションを保つことはできます
●ー五輪が延期になって、さらに来年の開催に関しても微妙な状況です。選手としてこの状況をどう受け止めていますか?
石川 オリンピックはあってほしいけど、それは私が決めることではない。でも、あるという前提で全力で準備をするし、そこに向けてモチベーションを保つことはできます。あまり先のことを見すぎずに、次の試合というよりも、今取り組む技術を毎日やっていきます。
●ーもし開催が決まれば、そこで石川佳純の卓球の集大成を見せるぞ、という気持ちもありますか?
石川 集大成とかじゃなくて、あまり肩に力を入れないで、気楽にやらないといけないと思っています。また4年頑張るかもしれないし、先のことは全然決めていないけど、自分が培ってきた技術、戦術、精神面は全部出したいですね。全部を東京のコートにぶつけたい。
●ー石川さんは卓球をやって何年ですか?
石川 20年です。長いようで短く、短いようで長い。
●ー引退するわけじゃないから20年間を振り返るのは早いけれど(笑)、卓球をやってきた20年は長いですね?
石川 長いですし、自分でも振り返りたくなりますよ、たまに(笑)。人生の半分以上ですから。