感動のフィナーレ。ティモ・ボルの最後の試合、フランクフルトの心を揺さぶる。「心から感謝しています」

【メダリストインタビュー①】〈前編〉戸上隼輔「率直な気持ちとしては、今はまだ実感がない」
卓球王国2025年8月号掲載
Medalists Interview ①

ドーハ大会の男子ダブルスで優勝を飾った篠塚大登/戸上隼輔。それは実に64年ぶりに日本にもたらされたタイトルだった。表彰式からわずか6時間後、日本選手団のホテルで行ったメダリストインタビュー。ふたりのゴールドメダリストは静かに語り始めた。
photographs & interview by
柳澤太朗Taro Yanagisawa
準々決勝はラリー戦を想定して準備できていたからこそ、自分たちのプレーをやり切ることができた (篠塚)
●─日本勢として男子ダブルスで64年ぶりの優勝、おめでとうございます。今の率直な気持ちをお願いします。
篠塚大登(以下・篠塚) 本当に、まずは信じられないという気持ちです。まさか優勝できるとは思っていなかったので。ダブルスでメダルを獲るために練習してきたことが最後に発揮できた。戸上さん、そしてベンチに入ってくれた森薗(政崇)さんにありがとうと伝えたいです。
戸上隼輔(以下・戸上) ありがとうございます(笑)。率直な気持ちとしては、今はまだ実感がないというのが一番大きいですね。あの決勝で大会が終わった感覚というのは一切なくて……。
こうして金メダルを目の前にすると、「ああ、本当に勝って終えられたんだな」「世界一、獲れたんだな」と実感できるんですけど、本当に複雑というか、メダルを見ていないとまだ明日も試合が続くような感覚です。
●─実感が湧かないのはなぜでしょう?