驚くべきホカバのレベルの高さの裏に潜む危うい実態

驚くべきホカバのレベルの高さの裏に潜む危うい実態
卓球王国PLUS独占記事「今野の眼」

Text by
今野昇Noboru Konno
細かく年齢を刻んでカテゴリーを設け、優勝者を量産していくことが、本当に望ましいことなのだろうか
全日本選手権大会ホープス・カブ・バンビの部を久しぶりに取材した。この大会は、現在の日本卓球の強さの源泉とも言える。大会初日は各カテゴリーの予選リーグであったが、さほど驚きはなかった。昔もこの程度だったなと感じた。しかし、2日目の後半、そして最終日となる3日目には、格段にレベルが上がっていることに気づかされた。
1981年、日本卓球協会は全日本選手権ホープス(小学6年生以下)の部を創設し、1984年にはカブ(小学4年生以下)、1986年にはバンビ(小学2年生以下)の部を増設。1983年には団体戦の全国ホープス大会(小学生以下)もスタートさせている。
日本のトップ層が中国やヨーロッパに追い越された時期、「中国に追いつき、追い越せ」とばかりに、業余体育学校(小学生)での訓練を行っていた中国を模範とし、日本卓球協会(とりわけ強化本部)は卓球の低年齢化に舵(かじ)を切っていった。
しかも日本では、小学生以下は2歳刻みでカテゴリーを分ける一方で、中学生(カデット)はなぜか1歳刻み、高校生以下はジュニアとしてひとくくりにされている。