驚くべきホカバのレベルの高さの裏に潜む危うい実態

単なる感情的な書き込みではない。「張本発言」をTリーグ関係者はどう受け止め、何を感じるのか
卓球王国PLUS独占記事[今野の眼]

Text by
今野昇Noboru Konno
「世界最高峰のリーグを目指す」というスローガンだけが、実態を伴わずに浮遊し続けている
8月4日、自身のSNSでTリーグへの思いを綴った張本智和(トヨタ自動車)。その発言に同意し、応援する人もいれば、批判的な声を上げる卓球関係者もいる。
発言のタイミングから、「前日のTリーグでの敗戦が原因では」と推測する向きもあるが、それは的外れだ。張本はこれまで7シーズンにわたってTリーグで戦ってきたが、敗戦後に自身のリーグへの考えを発信したことはなかった。
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彼が伝えたかったのは、以下の点に集約されるだろう。
・Tリーグ独自の競技ルールと国際大会との乖離(かいり)
・時間短縮を目的に導入されたルールが、番狂わせ(ジャイアントキリング)を生みやすくしている点への疑問
・観客への配慮は重要だが、選手への配慮も同等に必要であること
・ルールの違いにより、選手たちがWTTなど国際大会で本来の実力を発揮しにくくなっている現状。 この影響はトップ選手に限らず、全選手にとって不利益ではないか
・Tリーグには、世界最高峰のリーグを本気で目指してほしいという願い