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彼ら日本選手は、なぜ貯金を切り崩しながらWTTに出場するのか

卓球王国PLUS 独占記事「今野の眼」

学生時代はTリーグで出場して得た報酬を貯金してWTT参戦のために使っていた出澤杏佳(現レゾナック) PHOTO WTT

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今野昇Noboru Konno

1大会にへの出場の経費は約60万円。中堅選手はほぼ自己負担となる

日本からはほぼすべてのWTTイベントに選手たちが参加している。目的はもちろん世界ランキングを上げることだ。平野美宇のような五輪メダリストであっても、2024年8月時点で日本選手の中で世界ランク9番目。1協会による参加人数の制限があるため、WTTスマッシュ、チャンピオンズなどの上位大会には出場することが難しくなり、フィーダーやコンテンダーに出てポイントを積み上げるしかないとも言われている。

大会開催地にもよるが、選手1人の費用(渡航費・宿泊費)は1大会で約60万円。専任コーチを帯同すれば2倍、練習相手まで同行すれば3倍の経費が必要になる。所属スポンサーを持つトップ選手は母体が経費を負担し、専任コーチやフィジカルスタッフを帯同できることもあるが、所属スポンサーを持たない選手は、Tリーグの報酬を遠征費に充てるケースも多いと聞くし、用具メーカーと契約する選手も、契約条項にたとえば「年間2大会分のWTT経費負担(約120万円相当)」を盛り込むなど、工夫をしている。

「今年はWTTにとって初めてのフルシーズン(完成形)となった。今年が試合数のほぼマックス(最大)だろう」――WTT(ワールド・テーブルテニス)のスティーブ・デイントンCEOはそう語った。

以下は、2025年のWTTシリーズの試合数と賞金総額だ。大会の格付けで賞金総額と世界ランキングポイントが決まっている。( )内はそれぞれ1大会の賞金総額

<2025年カレンダー>
●スマッシュ:4大会(シンガポール、アメリカ、スウェーデン、中国) ▶ 150~205万ドル(約2.25~3億円)
●チャンピオンズ:6大会 ▶ 50万ドル(約7500万円)
●スターコンテンダー:6大会 ▶ 30万ドル(約4500万円)
●コンテンダー:7大会 ▶ 10万ドル(約1500万円)

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●ファイナルズ(年間獲得ポイント上位者のみ) ▶ 130万ドル(約1.95億円)

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