全日本3連覇の「ファースト」。30過ぎの青森山田軍団、丹羽復帰、そして浜野の男気
緊張を味方につける[最高の自分を引き出すメンタル術]
卓球王国2026年1月号 [緊張を味方につける]
練習では思いどおりにプレーできるのに、試合になると手が震えてしまう……。そんな経験は、きっと誰にでもあるはずだ。だが、トップ選手と指導者たちは言う。
「緊張は悪者じゃない。うまく使えば最高の武器になる」と。その“心の使い方”を、彼らの実体験から紹介していく。

Text by
帯刀嵩史Takashi Tatewaki

たてわき・たかし
スポーツメンタル伴走者/公認心理師
(SunKAKU -mental support-)
緊張は「悪いもの」ではない。緊張は必要なもの、大切なもの
緊張の正体─人間の本能と三つの反応「戦う」「逃げる」「固まる」
選手の緊張の度合いには、持って生まれた要素が大きく関わっているのは事実です。しかし、それと同じくらい大人や指導者がその選手にどのように関わってきたかという点が重要です。
指導者は、しばしば緊張を「パフォーマンスを下げる悪いもの」として捉える傾向があります。緊張している選手に対して「緊張するな」と指示したり、緊張によって結果が出なかった際にネガティブな評価をしたりすることで、選手は「緊張は悪いことだ」と思い込んでしまいます。

