【アーカイブ/Another Story】小野思保/ピンチをチャンスに変えて海外リーグへ挑戦
卓球王国2015年12月号掲載[アナザー・ストーリー/小野思保]
[Another Story 疾走するアスリートたち]小野思保(ALCL)
おの・しほ
1987年8月11日生まれ、埼玉県出身。白鵬女子高、淑徳大卒。
サンリツ、日立化成、長崎県スポーツ専門員を経て、14年の夏からチェコリーグへ参戦。
今期はフランスプロAリーグのALCLに移籍。03年度インターハイ準優勝、全日本ジュニア3位、
08年全日学3位、09年全日学準優勝、全日学選抜準優勝、10年社会人単ベスト8・複優勝、
10〜13年度全日本複準優勝、11年度全日本単ベスト16、12年度全日本単ベスト8・混合複ベスト8
Text by
佐藤祐 Yu Sato
写真:浅野敬純(一部本人提供)

全日本選手権後に実業団からクビ宣告、何かが吹っ切れた
7月某日、30℃過ぎの真夏日。行き行く人たちが日傘で日光を遮る中、その日差しの中をまるでスポットライトに照らされるがごとく颯爽と彼女は現れた。
「お久しぶりですね」といつもと変わらない、少し気だるげな声。「暑いね」と返答すると、「朝、ランニングして、もう髪の毛がチリチリですよ」と相変わらずユーモアのある受け答えに安心した。
小野思保が日本卓球界から姿を消してもうすぐ1年になる。現在彼女は日本を離れ、単身ヨーロッパに渡ってプレーを続けている。昨シーズンはチェコリーグ、そして今シーズンからフランスリーグに参戦。「日本ではもうやらないと思う」と言う彼女に一体何があったのだろう。そして今後はどのような道を進むのだろう。
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