呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
水谷隼「1分間の中で精神論をアドバイスするコーチはダメですね」
試合を変える「1分間」のアドバイス
卓球王国2023年5月号掲載
全日本チャンピオンに10度輝き、五輪では金、銀、銅メダルを獲得した日本卓球界のレジェンド。
ジュニア時代にドイツに渡り、中国超級リーグ、ロシアリーグでもプレー。
多くのトップコーチのベンチコーチを受けた経験から、選手目線も含めた「1分間」を語ってもらった。
メンタルのことだけを言われても解決にはならない。
具体的な作戦を伝えることに集中するべきだ。(水谷隼)
ぼく自身はヨーロッパでマリオ・アミズィッチ、プリモラッツ、中国超級リーグで陳宏宇、ヤン・ツーなどのベンチコーチを受けた経験があります。また、以前、アジア対ヨーロッパの大会があって、張継科のコーチだった肖戦がベンチコーチに入ったことがあって、「これはだめ、これがいい」「このサービスが良いからこれを出していけ」とはっきり言ってくれるアドバイスが良かった。
それはぼく自身がある程度の技術力があることを知っているからこそ、具体的に言えるのです。YGサービスができないのに、「相手にYGが効くから、そこから組み立てよう」と言っても無理な話で、ベンチコーチに入るのであれば、その選手が何が得意で何が弱点なのかは最低限知っておくべきでしょう。肖戦のアドバイスを経験したことで、「やはり一流のコーチのアドバイスはいい」と思って邱建新さんに専任コーチをお願いした経緯があります。