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ニッタク 101年目のラブオール〈アーカイブ・後編〉

卓球王国2021年3月号掲載
写真=江藤義典 photographs by Yoshinori Eto
写真提供=ニッタク photo courtesy of Nittaku Co., Ltd.

ニッタクが誇る『ニッタクプラ3スタープレミアム』。ABS系樹脂の細かなペレットを熱で溶かしてから成形する

Text by

柳澤太朗 Taro Yanagisawa

2020年に創業から100周年を迎えた、『ニッタク』ブランドの日本卓球株式会社。原点であるボールの製造にこだわりながら、総合卓球メーカーとして成長してきた。節目の年を越えて見据えるものは、新たなる100年への道筋だ。

「ニッタクは営業の基盤については全国に盤石な体制を築いている。あとはメーカーとしての原点をもう一度見直す時です」(今村均)

 ボール製造を出発点とするニッタクにとって、大きな転換点。それは2014年7月のセルロイドボールからプラスチックボールへの変更だった。

プラスチックボール導入時の混乱は、未だ記憶に新しい。1ゲームに2個、3個と割れるボールもあったし、プラスチックボールとセルロイドボールの打球感の違い、メーカー間でのプラスチックボールの打球感の違いに多くのユーザーが戸惑った。

「一番大変だったのは、プラスチックボールを作る時ですね。ひとつの賭けでしたね」と北岡は当時を振り返る。社内では、プラスチックボールの開発で一歩先行していた中国メーカーに「プラスチックボールのOEM(他社委託)を」という声もあった。

 「やはり日本で作っているボールだからこそ、お客さんも『ニッタクのボール』と言ってくださる。海外で作って、自分たちの思うように改良することもできなくなったら、それはお客さんが望んでいるニッタクのボールではありません」(北岡)

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