【グッズ+】「サブラケット」 を持とう![PART1]サブラケとは、なんぞや!?
卓球王国2026年3月号掲載

あなたは、自分が本番の試合で使う「メインラケット」以外に、「サブラケット」を持っているだろうか。いざという時のための備えとして、プレーの可能性を広げるアイテムとして、大いに役立つサブラケットをぜひ持ってみよう!
第1回の今回は、サブラケがいったい何のために必要で、どう用意すべきなのかをガイドしていく。
パターン その1 「スペア」 として同じものを持つ

ルールへの対応策として
スペアを持つことは「常識」
まずサブラケットを持つことの第一の意味は、ルールへの対応である。ルール上、試合中のアクシデントでラケットが折れてしまったり、ラバーの打球面が著しく傷ついてしまった場合は、そのラケットではプレーを続行できないからだ。(以下参照)

そうした時、予備の「スペア」ラケットを持っていることはとても大事だ。万が一、メインラケットがダメになった時のために、それと遜色ないプレーができるものを普段からラケットケースに入れておく。これは、トップ選手であれば、半ば常識的に準備していることである。
意外と難しい「スペア作り」
しかし、スペアラケットを「作る」のは、思いのほか難しい。単純に同じラケットに同じラバーを貼っただけでは、メインラケットと同じ感覚・性能になってくれないことが多いのだ。用具に詳しい専門店の方に伺ったお話をもとに、その作り方のコツを紹介していこう。
協力店舗:卓球のタマチ(タマチ/宮城)、ヒロタクスポーツ(ヒロタク/広島)、国際卓球高田馬場本店(国際/東京)
▶「当店では、『本命のラケット』が決まると同時に、万が一の破損に備え、全く同じものを購入するお客さまが多いです」(タマチ)。スペアを作る際には、まず「本命のラケット」を確定させることが第一条件と言える。
▶「メインラケット本体の重量を、お客さまに必ず伺うようにしています」(ヒロタク)。スペアの購入にあたっては、メインラケットと本体重量を合わせるのが鉄則。今、自分が使っているラケットの重さを知っておくことはマストだ。
▶「ラバーは、同じ厚さ・硬さのものを選ぶと良いです。ラケット・ラバーの総重量をメインとスペアで同じにするのがベストです」(国際)。ラケット・ラバーは同じ製品でも1本1本、1枚1枚が違う「生き物」。重量や質感を店舗で吟味し、間違いのない個体を選ぶことが大事なのだ。

スペア作りにおいて、最も重要なのがラケット本体の重量。重さを合わせることで、持った時の感覚や打球感をメインラケットに近づけることができる
【こぼれ話】 いきなりスペアを
使うことになり、敗れた王楚欽
できる限りメインラケットに近い感覚・性能のものを用意すべきスペアラケットだが、メインラケットと全く同じパフォーマンスが出せるかというと、なかなか難しい。
2024年のパリ五輪では、次のような事例があった。混合ダブルスで金メダルを獲得し、孫穎莎とともに記念撮影に応じていた王楚欽(中国)。その時、2人のツーショットを収めようとベンチに詰めかけたカメラマンにラケットを踏まれ、折られるという悲劇が起こってしまった。
王楚欽はスペアラケットで翌日のシングルス2回戦に臨んだが、モーレゴード(スウェーデン)に元気なく敗戦。試合後、本人は「ラケットのせいではない」と言い切ったが、少なからず影響はあったはずだ。

PHOTO/ITTF ONDA

PHOTO/ITTF ONDA
パターン その2 「模索用」 として違うものを持つ

本企画に先立って、卓球王国のX(旧Twitter)では上のようなアンケートを実施。すると、「本番用とは違うものを持っている」という回答が半数近くを占めた。この結果は、用具を試しながら理想の使用感(打球感・弾み・重量など)を模索する人が非常に多いことを反映したものだと分析できる。
理想の使用感を模索する中で
「試しに持つ」サブラケ
このパターンでサブラケットを用意する時の注意点とアドバイスを、前出の3つの専門店に伺ってみた。
▶「今の技術的な課題を念頭に置いて、以後の競技の不利にならないような用具を選ぶことが大切です」(タマチ)
▶「ラケットは、木材合板なら同じ構成(枚数)のまま飛ぶものに。素材入りはアウターならインナー、インナーならアウターにしつつ、素材の特性が似ているもの、もしくは同じ素材のものの中から選ぶと良いでしょう」(ヒロタク)
▶「ラケット本体を違うものにする場合は、ラバーは両面ともメインラケットと同じものにし、ラケットの性能の違いがわかるようにすると良いです。ラケットとラバーを両方とも変える場合は、全体の弾みがメインラケットに近くなるようなものを選びましょう」(国際)

メインラケットとは違うタイプのサブラケットを用意し、プレースタイルを模索 ——マニアにとって、それは一種の楽しみでもある
to be continued…
次回、PART2からは、実業団のトップ選手やマスターズの強豪選手がサブラケットをどう用意しているか、サブラケットにまつわる興味深いエピソード……などを紹介していこう。

