[クローズアップ]小学生の全国大会に「日本国籍」が必要な理由
卓球王国2026年7月号掲載
2027年「全日本ホカバ」の参加資格変更の背景と、揺れる現場の葛藤
日本の卓球界において、競技の低年齢化はもはや定着した感がある。「一刻も早く始めなければトップにはなれない」「全日本ホカバで結果を残さなければ、日本代表への道は閉ざされる」―。指導者や保護者の多くは、そう信じて疑わない。確かに、近年のメダリストたちの足跡を辿れば、それはひとつの正解に見える。しかし、その価値観が今の卓球界に「歪(ゆが)み」を生じさせてはいないだろうか。

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過熱する早期教育と中国からの全日本ホカバへの参加者
日本卓球協会は2026年4月24日、「2027年度男女HNT(ホープスナショナルチーム)選手選考基準」を発表した。ここで最も注目すべきは、U︱12(小学5年生~6年生)の選考基準において、「選考対象は原則として日本国籍を有する者とする。ただし、帰化申請中の者は証明資料を提出することで対象とする。選考合宿も同様とする」と明記されたことである。
昨年の全日本選手権大会ホープス・カブ・バンビの部(通称:全日本ホカバ)では、中国からの参加者が目に見えて増えていた。その中には、日本で生まれ育った選手や、長く居住している選手も含まれる。一方で、日本での居住実態が不明確な子どもたちが本大会に出場しているのではないか、という疑念も関係者の間で囁かれてきた。これまでは、大会の参加資格が「日本卓球協会登録者であること」のみであったため、実情を把握する術がなかったのである。
しかし、この大会は協会のHNT選出と強化合宿の参加に直結しており、強化合宿や遠征には公的な補助金が投入されている。また、居住実態のない選手が選出されることで、日本国内で地道に活動する子どもたちが上を目指す機会を奪われる可能性もある。こうした懸念が、今回の決定の背景にある。

