決戦のパリへ。早田ひな「私の目標はオリンピックで金メダルを獲って、たくさんの皆さんに恩返しをすることです」
翼を広げ羽ばたくひな。パリの舞台で
卓球王国2024年8月号掲載
五輪初出場でありながら、日本選手でもっともメダルに近い選手、それが早田ひなだ。
伊藤美誠、平野美宇という早成のライバルの背中を見ながらじっくりとより高い頂へ向かうために力を蓄えてきた。
パリの夏。中国の険しい壁の踏破に挑む。
Text by
今野昇Noboru Konno
写真=中川学 Photographs by Manabu Nakagawa
[はやた・ひな]
2000年7月7日生まれ、福岡県出身。全国中学校大会2連覇、インターハイ優勝。20年、23年、24年全日本選手権優勝。世界選手権では伊藤美誠との女子ダブルス、張本智和との混合ダブルスで2大会連続の銀メダルを獲得。2021年アジア選手権では団体・単・混合複の3冠。23年世界選手権シングルス3位。日本生命所属、世界ランキング5位(2024年6月11日現在)
伊藤美誠、平野美宇というライバルたちの背中を見て追いつき追い越せと頑張った
早田ひなはいつからオリンピックロードを歩き始めたのだろう。
全国大会で活躍するような卓球選手なら誰もが「オリンピック選手になる、金メダルを獲る」と小さい頃から口にする。テレビで見たオリンピックの舞台への強い憧れだろう。そして試合を繰り返しながら、その夢が果てしなく遠くにあるものだということに気づいていく。
日本の卓球の競技人口は100万人を越すと言われるが、4年に一度のオリンピックの舞台に立てるのは男女合わせて6人のみ。卓球のオリンピックロードは実に険しい。
2000年生まれの伊藤美誠・平野美宇・早田ひな。とりわけ、伊藤と平野は中学生になるとメキメキと頭角を現し、国際大会にも参戦し、世界の中でも注目を浴びていた。